受発注システムで卸売業の業務を効率化! 選び方のポイント
卸売業では、取引先となる小売事業者やメーカーとの間で受注・発注のやり取りが発生します。電話やFAXで対応していると、受発注のたびに内容を確認して社内システムに転記する作業が必要になり、時間と労力がかかります。
また、商品の特性や取引先の商慣習に応じて受発注の処理が必要になるため、業務が煩雑化しやすいことも課題の一つです。
卸売業の管理担当者のなかには、「電話やFAXで行っている受発注業務を効率化したい」「どのような受発注システムが卸売業に向いているのか知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、卸売業における受発注業務の課題や受発注システムを導入するメリット・デメリット、選び方のポイントについて解説します。
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卸売業における受発注業務の課題
受発注はさまざまな業界での取引で行われますが、多くの商品を取り扱う卸売業においては、業界ならではの課題によって業務が煩雑化しやすくなっています。
商品ごとの取引特性が異なる
卸売業の受発注業務が煩雑化しやすい理由の一つに、商品ごとの取引特性が異なる点が挙げられます。
卸売業では、小売事業者から受注があった際に在庫から即納する場合のほか、受注の都度、メーカーからの仕入れまたは直送手配を行うケースがあります。
受注担当者は、一つひとつの商品の取引特性を把握したうえで、メーカーへの発注や配送方法の決定、納品日を考慮した出荷指示などのさまざまな業務に対応する必要があります。
しかし、取り扱う商品が膨大になる場合には、商品ごとの情報を確認して処理する際に多くの時間・労力がかかってしまいます。
取引先によって異なる販売価格を設定している
取引先ごとに異なる販売価格を設定しており、各社で異なるフォーマットを使用して受注を行っている現場では、処理や確認作業に時間がかかり受注担当者の業務負担が増加しやすくなります。
また、受注のたびに取引方法が異なると、受注データの二重転記や情報共有などが煩雑化してしまい、人的ミスも発生しやすくなります。
適正在庫を把握・管理するのが難しい
メーカーへの発注を行う際には、在庫状況や納品のリードタイム、メーカーごとの発注取引条件を踏まえて、仕入れのタイミング・数量を決定する必要があります。
しかし、膨大な商品を紙媒体または表計算ソフトで管理している場合、一つひとつの商品に対して過去の出荷実績に基づいた需要予測を行うのが難しく、適正在庫を把握・管理できないことがあります。
需要に対して適正な数量の発注を行えなくなると、在庫の余剰・不足が発生して、販売機会の損失や在庫保管効率の低下などにつながる可能性もあります。
卸売業で受発注システムを導入するメリット・デメリット
卸売業において取引先とのスムーズな受発注のやり取りを行うには、各商品の情報や在庫状況などをリアルタイムに可視化・共有できる受発注システムを導入することが有効です。
しかし、受発注システムの導入にあたってはメリット・デメリットがあるため、自社の課題や商慣習を踏まえて検討する必要があります。
メリット
受発注システムを導入すると、電話やFAX、メールで受発注業務を行う場合と比べて以下のようなメリットが期待できます。
▼メリット
- 受発注の業務を効率化できる
- 注文をいつでも受けつけられる
- 在庫の過剰・不足を防止できる
受発注システムでは、取り扱う商品の取引特性を商品マスタに登録して、管理区分に基づいた処理を行えます。電話やFAX、メールを用いて取引先とやり取りをすることなく、システム経由で受発注のフローを完結できるため、業務の効率化を図れます。
また、システム上で注文が行えるようになると、24時間365日で受注ができるようになり、受注機会の増加につながることも期待できます。
さらに、受発注システムを活用すると、過去の出荷実績データに基づいた発注点・発注量を計算することが可能です。需要予測を踏まえた仕入れを行うことによって、在庫の余剰・不足を防止できるようになります。
デメリット
受発注システムを導入する際には、以下のデメリットについても理解しておく必要があります。
▼デメリット
- システムの導入にコストがかかる
- 取引先で使用してもらう必要がある
- 卸売業の商慣習に対応したシステムが必要
受発注システムの導入にあたっては、コストが発生します。システムの形態によってコストは異なるため、イニシャルコストとランニングコストを考慮して選定する必要があります。
また、受発注システムを運用するには、取引先にもシステムを利用してもらう必要があります。これまでの受発注フローとオペレーションが変わるため、取引先から同意を得るのが難しいケースがあります。
さらに卸売業では取引先ごとに異なる商慣習が根づいている場合もあり、それに対応できる機能が備わったシステムを導入することも求められます。
BtoB事業者の方が受発注システムの導入を検討する際には、こちらもあわせてご覧ください。
BtoB事業者間で活用できる受発注システムの種類と導入手順、必要な機能を解説
卸売業で受発注システムを選ぶ際のポイント
卸売業で利用する受発注システムを導入する際は、自社の課題や運用体制、取引先の商慣習などを考慮して選択することがポイントです。
なお、自社にとって最適な受発注システムを選定する手順に関してはこちらの資料で解説しています。ぜひご覧ください。
1.拡張性があるか
自社に必要な機能を選択して追加したり、自社の運用体制に合わせてカスタマイズしたりできる拡張性のあるシステムを選ぶと、予算を調整しやすくなります。
受発注システムの形態によって目安となるコストは異なります。
▼システムの形態ごとのコスト目安
形態 |
イニシャルコスト |
ランニングコスト |
SaaS(クラウド) |
30~50万円 |
10~20万円 |
フルスクラッチ |
数千万円 |
数十万~数百万円 |
ハーフスクラッチ |
数百万~数千万円 |
数十万円 |
※竹田印刷調べ
SaaSは、クラウドサービス事業者が運営するサーバ上で提供されるクラウド型のシステムを指します。自社でサーバの構築やシステムの開発、保守運用を行う必要がないため、イニシャルコストとランニングコストを抑えられます。ただし、利用できる機能やオプションはシステムによって異なります。
フルスクラッチの場合は、受発注システムを一から作り上げていくため、自社に必要な機能や操作性などを独自に開発することが可能です。ハーフスクラッチの場合は、既製のシステムをカスタマイズして構築する方法となり、自社の課題・ニーズに応じて機能を追加できます。ただし、SaaSと比べるとフルスクラッチ・ハーフスクラッチのコストは高くなりやすい点に注意が必要です。
なお、システムを導入する予算に課題がある場合には、国が行っている補助金を活用することも一つの方法です。
2023年版になりますが、IT導入補助金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【2023年版】受発注システムの導入に活用できる『IT導入補助金』と申請の流れを解説
受発注システムに関するコストの目安についてはこちらの記事をご確認ください。
2.取引先が利用しやすいか
受発注システムは、自社だけでなく取引先にも導入してもらう必要があります。取引先の同意を得るには、専門的な知識がなくても利用・操作がしやすいシステムを選ぶことが重要です。
▼システム選びのポイント
- 商品の取引方法や発注先、在庫の数量などの詳細な情報を登録できる
- 商品マスタから注文商品を検索しやすい仕組みがある
- システム上で受注・発注の内容や入出荷状況を共有できる
3.取引先ごとの細かな設定ができるか
取引先ごとに表示商品や取引価格を設定することが可能なシステムを導入すると、受注の窓口を一つのフォーマットに統一できます。
受注のたびに取引価格を確認する作業が不要になり、受注業務の効率化を図れるほか、取引先からの問い合わせを減らせます。
なお、独自開発した注文サイトをスクラッチ開発のクラウド型受発注システム『TS-BASE 受発注』に移行した事例については、こちらの記事で紹介しています。
独自開発の注文サイトから「TS-BASE 受発注」へ移行後のメリットと変化
『TS-BASE 受発注』で卸売業の受発注業務を効率化
卸売業では、商品の取引特性や取引先ごとの販売価格が異なるほか、一つひとつの商品に対して需要予測を行うのが難しいことから、受発注業務が煩雑化しやすくなります。
取引先とのスムーズな受発注を行うには、商品の情報や在庫状況を可視化して共有できる受発注システムの活用が有効です。
『TS-BASE 受発注』は、BtoBの受発注取引に特化したSaaS型のシステムです。取引先が注文サイトから簡単に卸売事業者への注文を行えるため、電話やFAXでの受注対応が不要になります。
また、取引先ごとに表示商品・取引価格を出し分けできるほか、在庫や入出荷状況などの情報を一元管理して、効率的に受発注処理を行うことが可能です。50種類以上の機能をお選びいただけるため、業務課題に応じた運用を実現できます。
詳しくは、こちらから資料をご覧ください。