備品管理を行う5つの手順。運用の効率化を図る手法とは
企業では、業務に使用する設備やOA機器、オフィス家具などのさまざまな備品を必要に応じて調達する必要があります。経費の増加や盗難・紛失などのトラブルを防ぐには、適切な備品管理を行うことが重要です。
各部門の管理者のなかには「備品の使用状況や置き場所が分からず、必要な物品を探すのに時間がかかる」「在庫があることを知らずに不要な発注をしてしまう」などの悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、社内における備品管理の必要性や流れ、効率化するための手法について解説します。
目次[非表示]
備品管理の必要性
備品管理とは、社内で使用する備品の種類や使用状況、個数、保管場所などを管理することです。
管理する備品には、OA機器やオフィス家具、オフィス家電、事務用品、清掃用具などが挙げられます。会計処理上においては、備品と消耗品に区別されています。
▼会計処理における備品・消耗品の区分
区分 |
内容 |
備品 |
使用可能期間が1年以上、かつ取得価額が10万円以上の物品 |
消耗品 |
購入価額が10万円未満、もしくは使用可能年数が1年未満の物品 |
業務に必要な備品を探すのに時間がかかったり、必要なタイミングで調達できなかったりすると、業務の停滞や作業効率の低下につながる可能性があります。
また、各備品の在庫状況を把握しておらず新たに調達すると、不要なコストがかかってしまい経費の増加を招きます。備品の使用状況を把握できていない場合には、持ち出しや紛失などのリスクもあります。
円滑に業務を遂行しつつ、経費の削減やセキュリティ対策を行うためにも、社内の備品管理を適切に行うことが大切です。
なお、販促物の管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
販促物管理の課題とは? 業務最適化の方法とシステム活用について解説
備品の在庫管理に活用できるMicrosoft Excel(※)のツールについては、こちらからダウンロードしていただけます。ぜひご活用ください。
※Microsoft Excel は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
出典:国税庁『消耗品費』
備品管理を運用する5つの手順
備品管理を行う際は、備品管理台帳を作成したうえで物品をカテゴリに分けて情報を記録する必要があります。運用する手順は、以下のとおりです。
1.備品管理台帳を作成する
備品の情報を正確に記録・把握できるように、備品管理台帳を作成します。備品管理台帳を作成すると、物品の調達・移動・廃棄などの情報を記録して、使用状況や在庫数などを可視化しやすくなります。
▼備品管理台帳に記載する項目
項目 |
内容 |
物品に関する情報 |
|
登録に関する情報 |
|
2.備品をカテゴリ別に分類する
次に、社内にある備品を洗い出してカテゴリ別に分類します。
カテゴリに分ける際には、大・中・小のように階層化して物品のジャンルや使用頻度などに応じて整理しておくと、備品の情報を探しやすくなります。
▼カテゴリ別の分類例
階層 |
備品 |
大 |
IT機器 |
中 |
OA機器、情報端末、関連機器 |
小 |
複合機、パソコン、スマートフォン、マウス、キーボード |
カテゴリ別に物品を分類したあとは、現在管理している備品の情報を備品管理台帳に記載します。
3.各物品にラベリングをして保管場所を決める
備品管理台帳に物品の情報を記載したあとは、各物品を識別するための管理番号を付与して、それに紐づいたラベルを物品に貼りつけます。
ラベルには、管理番号に加えて以下の情報を記載しておくと、在庫管理がしやすくなります。
▼ラベルに記載する情報
- 物品の種別
- 保管場所
- 管理担当部門
また、備品を保管する棚や箱などにもラベルを貼っておくと、どこに何が保管されているかを把握できるようになり、棚卸や物品探しがスムーズになります。
4.備品管理の運用ルールを定める
各部門や営業所、担当者による備品管理の方法にばらつきが生じないように、運用ルールを明確に定める必要があります。備品管理の運用ルールをまとめたマニュアルを作成して、社内全体に周知・共有しておくことが重要です。
▼マニュアルに定める項目
- 備品の購入や利用申請を行うフロー
- 備品管理台帳への記入・表記方法
- 備品管理台帳の更新方法
- 備品の利用にあたっての注意や返却方法
⑤定期的に棚卸しを実施する
備品管理を運用する際には、定期的に棚卸しを実施することが重要です。
運用ルールを定めて備品管理を行っていても、記載漏れや間違いによって台帳に記載された情報と差異が生じるケースがあります。
定期的に棚卸しを実施することで、実際の在庫数や使用状況と台帳の情報を突き合わせて、差異がある場合には修正を行えるようになります。また、不足または故障・紛失している備品を把握して調達を行えるため、必要な備品がすぐに使える状態を保つことが可能です。
備品管理を効率化するにはシステムの活用がポイント
備品管理の手法には、紙媒体の在庫管理台帳だけでなく、表計算ソフトや物品・在庫を管理できるシステムを活用する方法があります。
ただし、紙媒体または表計算ソフトで作成した備品管理台帳で備品管理を行う場合には、以下の問題が生まれやすくなります。
▼紙媒体または表計算ソフトの備品管理台帳を用いることによる問題
- 手書きや入力の際にミスが起きやすい
- 備品の流れをリアルタイムに把握するのが難しい
- 管理する備品の種類・数が増えるほど煩雑化しやすくなる
手書き・手入力で備品管理を行うと、人的ミスが生じやすくなり、物品の種類や使用状況の正確な管理が難しくなります。
また、備品に関する情報をリアルタイムで共有できていない場合には、必要以上に備品を調達してしまい、不要な経費が発生する可能性があります。管理する備品の種類や数が増えるほど作業が煩雑化しやすくなるため、「コア業務に注力できない」といった管理者の課題につながります。
このような問題を解決するには、オンライン上で備品情報の入力・閲覧・共有や調達申請を行えるシステムを活用することが有効です。
受発注システムを活用すると、備品に関する情報を一元管理できるようになり、部門間での情報共有や在庫管理、調達などの業務の効率化を図れます。適正在庫を維持することで、備品にかかる経費の削減にもつながります。
受発注システムを活用して、店舗と本部間における備品の調達・管理を効率化した事例については、こちらの記事で紹介しています。
店舗と本部のコミュニケーションリスク軽減と業務効率化に有用なTS-BASE 受発注
『TS-BASE 受発注』で備品管理を効率化する
社内で使用する備品の種類や使用状況、保管場所などを管理することによって、必要な備品をすぐに利用できる状態を維持できます。業務を円滑に遂行して、経費の削減やセキュリティ対策を図るためにも備品管理が欠かせません。
ただし、紙媒体や表計算ソフトで備品管理を行う場合には、人的ミスが発生したり、台帳への記入・更新に労力がかかったりする課題があります。より効率的に備品管理を行うには、受発注システムの活用が有効です。
『TS-BASE 受発注』は、商品や販促物、備品の受発注と在庫管理などをオンラインで行えるクラウド型の受発注システムです。備品の情報と流れを一元管理して、各部門や営業所での注文、本部での仕入れ、在庫管理などの効率化が図れます。
▼TS-BASE 受発注による備品管理の特徴
- 注文サイトから備品の在庫数や出荷状況を確認できるため、本部に問い合わせる必要がない
- 各部門や営業所での備品の調達状況を可視化して経費管理を行える
- 備品の注文時に購入金額や物品に応じた2段階までの承認経路を設定できる
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。