受発注業務の悩みとは? 一元管理するメリット・デメリットと方法を解説
BtoBにおける受発注業務は、受発注処理や在庫数の確認、出荷対応などと多岐にわたります。
受発注業務で発生する情報の管理を個別に行っている場合、「情報が散在して業務が複雑化する」「対応が属人化して連携が取りにくい」などの問題が生じることがあります。
実際に、管理部内でも従業員から受発注業務に関する悩みを聞く機会のある管理担当者の方もいるのではないでしょうか。効率的な受発注業務を実現するには、散在した情報や業務を統一して管理することがポイントです。
本記事では、受発注業務でよくある悩みを踏まえつつ、業務や情報を一元管理するメリット・デメリット、その方法について解説します。
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目次[非表示]
- 1.一元管理とは
- 2.一元管理できていない受発注業務でよくある悩み
- 2.1.情報共有・連携がスムーズに行えない
- 2.2.業務が属人化する
- 2.3.データの集約・検索に時間がかかる
- 3.受発注業務で一元管理できること
- 4.受発注業務を一元管理する方法
- 5.受発注業務を一元管理する4つのメリット
- 5.1.1.業務効率を向上できる
- 5.2.2.人件費を削減できる
- 5.3.3.人的ミスを防止できる
- 5.4.4.売り上げ向上のための分析が可能
- 6.受発注業務を一元管理する2つのデメリット
- 6.1.1.慣れるまでに時間がかかることがある
- 6.2.2.導入や運用にコストがかかる
- 7.受発注システムの種類
- 8.受発注業務の一元管理には『TS-BASE 受発注』がおすすめ
- 9.TS-BASE 受発注で業務の一元管理を実現
一元管理とは
一元管理とは、ヒトやモノ、情報、お金などの経営資源を1ヶ所に集約して管理することです。
個別に管理していた経営資源をまとめることで、情報の照合にかかる時間が短縮されて、業務効率化につなげられます。
BtoBにおける受発注業務の一元管理では、取引先情報や在庫情報、出荷状況のデータをまとめて管理することを意味します。
一元管理できていない受発注業務でよくある悩み
電話・FAX・メールなどのアナログな方法で受発注業務を行っており、一元管理ができていない場合には、さまざまな問題が発生します。
ここでは、アナログな受発注業務によくある悩みについて解説します。
情報共有・連携がスムーズに行えない
アナログな方法で受発注業務を行っている場合、関係者との情報共有や社内連携がスムーズに行えないという悩みが挙げられます。
また、受発注の窓口担当者が紙面で注文を管理していたり、倉庫・営業所へ電話・FAX・メールなどで情報共有していたりすると、処理のタイムラグ、伝達ミス・漏れが発生しやすくなります。
このように、情報共有・連携ができていない状態では、誤出荷や納品の遅延などにつながるおそれもあります。
業務が属人化する
受発注業務が属人化しやすい点も悩みの一つです。
付き合いの長い取引先から継続して受注している場合、顧客情報を特定の担当者が管理していることがあります。また、複数の担当者で管理している場合は、社内での業務フローにばらつきが生じやすく、各担当者で情報共有のタイミングや、処理の進め方などが異なるケースも考えられます。
このように管理方法が属人化していると、担当者が不在の場合に、顧客対応や受発注業務などが滞ってしまいます。
データの集約・検索に時間がかかる
データの集約・検索に時間がかかることも、よくある悩みです。
需要予測やコストの見直しなどを図る際、過去の受発注データを集約・検索するケースがあります。
しかし、電話・FAX・メールなどで受発注を行っていたり、紙面で伝票や請求書などを保管していたりする場合は、集約・検索に工数がかかります。
このような状況では、受発注データを活用して需要予測や販売計画を立てることが難しくなります。
なお、Excelを使った受注管理や、アナログでの受発注業務の問題点については、こちらで詳しく解説しています。
受発注業務で一元管理できること
受発注業務を一元管理することで、以下のような業務をまとめて管理できます。
取引先の情報
いつ、どこで、誰が、どのように発注・受注したのかという基本的な情報を管理します。
取引先によって商品の種類や個数などが異なる場合でも、個々の情報を把握できるようになります。
受発注の進捗状況
商品の入出荷状況や在庫数などを管理します。
受発注システムによっては未処理・見積り中・出荷準備中・出荷済み・取消のようにステータス別に進捗状況を可視化できます。受発注による商品の動きをリアルタイムで把握できるだけでなく、処理の自動化も可能です。
商品情報
商品の販売金額や単価などの基本的な情報を管理します。
受発注時に必要な商品情報を把握でき、価格変更やセール価格などの一括編集が可能です。また、商品や在庫ごとに使用期限を設定できる場合、期限を越えた商品は受発注しないという対応もできます。
受発注データの分析
受発注データを蓄積して、あらゆる視点から分析を実施します。
商品別の売り上げ率や在庫差異などを分析して、受発注体制の見直しに役立てることが可能です。さらに、取得したデータを基に商品在庫を最適化して、保管コストを抑えることもできます。
在庫の情報
倉庫・工場にある在庫数や、入出庫に伴う在庫の動きを管理します。
在庫数がリアルタイムに自動反映されるため、社内でのタイムラグを防ぎ、ほかの部署との連携がスムーズになります。また、在庫状況を可視化できることで、在庫の問合せ対応や納品予定日の確認も迅速に行えます。
請求(支払)状況・取引履歴
受発注による請求・支払について管理します。
請求内容や入金状況などのデータの記録・管理、各種帳票の保管などを行い、異なる取引先との請求・支払状況を可視化できます。
受発注業務を一元管理する方法
受発注業務を一元管理するにあたって、受発注に関わる情報・業務をまとめて管理できるシステムを“受発注システム”と呼びます。また、“受発注管理システム”と呼ばれることもあります。
BtoBにおいては、電話・FAX・メールなどを使った受発注業務をデジタル化して、クラウド上で一括して管理できる受発注システムがおすすめです。
取引先ごとに異なる受発注データを受発注システム内にまとめることで、リアルタイムな進捗状況や過去の履歴などを社内で共有できるようになります。
ただし、受発注システムによって適した業種・業界や搭載されている機能が異なります。選定する際は、自社の業種・職種に対応した機能が備わっているか、必要に応じてカスタマイズができるかなどの確認が重要です。
また、企業によって受発注業務の体制や工程が異なるため、現状の課題を洗い出して、必要な機能・仕様について検討します。
受発注システムを選定するポイントについては、こちらの記事をご覧ください。
受発注業務を一元管理する4つのメリット
受発注業務を一元管理するメリットには、以下が挙げられます。
1.業務効率を向上できる
受発注業務を一元管理することで、業務効率の向上が期待できます。
Excel・紙面への転記、社内での引き継ぎなど、これまで個別に対応していた受発注業務をまとめて管理することで、業務工数を削減できます。
また、散在していた情報を1ヶ所に集約できるため、検索性が向上して、情報を探す・入力するといった業務も省けます。
2.人件費を削減できる
一元管理によって受発注業務のフローを効率化することによって、各業務の削減・省人化が可能となり、人件費の削減につながります。
▼削減・省人化できる業務例
- 電話・FAX・メールでのやりとり
- Excel・紙面への転記
- 各部署への情報伝達
- 受発注の承認、捺印
受発注に直接関わる業務のほかにも、データ集計や情報伝達などの業務を削減・簡素化することで、時間的なコストも削減できます。
3.人的ミスを防止できる
受発注業務の一元管理は、人的ミスの防止にも貢献します。
受発注に関わる情報を1ヶ所にまとめることで、各部署との情報共有がスムーズになり、引き継ぎミスを防止できます。また、社内の業務フローを可視化・標準化できるため、属人化の解消にもつながります。
その結果、担当者間での連携不足による発注漏れや遅延、欠品などの納品トラブルを回避できます。
4.売り上げ向上のための分析が可能
受発注にまつわるデータを蓄積・集約して、リアルタイムに分析できることもメリットの一つです。一元管理をすれば、入出荷状況や在庫数など各業務のデータを手動で集約する必要がなくなります。
また、蓄積したデータを基に、需要予測やコストの見直しを行うことで、在庫切れによる販促機会ロスを回避したり、コストの最適化を図ったりできます。このようなデータの有効活用によって、販売計画や経営の意思決定に役立てられます。
なお、FAXでの受発注業務をデジタル化するメリットについては、こちらの記事で解説しています。
受発注業務を一元管理する2つのデメリット
一元管理には、業務効率化やコスト削減などのメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットもあります。
1.慣れるまでに時間がかかることがある
受発注業務を一元管理するために、受発注システムを導入します。電話・FAX・メールを使ったアナログ手法からデジタル手法へと業務フローが変わるため、導入から間もないうちは、現場が混乱してしまうことも考えられます。
導入前には、受発注システムの操作方法をレクチャーする業務マニュアルを作成するとともに、取引先に承諾を得ておくことが必要です。
受発注システムのなかには、導入後の業務支援サポートを実施している事業者もあります。従業員への教育や運用体制の構築に不安を感じる場合は、各種サポートが充実している受発注システムの選択がおすすめです。
2.導入や運用にコストがかかる
受発注システムの導入には、イニシャルコストがかかります。これまで電話・FAX・メールを使って受発注業務を行っていた場合は、社内のインフラ構築も必要です。
また、受発注システムによって料金形態は異なりますが、運用には一定のランニングコストがかかることも考慮しなければなりません。
しかし、受発注システムの活用によって受発注業務の効率化、人的コストの削減などが期待できるため、トータルで見れば現在よりコストを抑えられることもあります。自社の現状とコストを踏まえたうえで、導入を検討することが重要です。
「受発注システムの導入時にかかるコストを計算したい」「システムの予算はどれくらいが適正なのか知りたい」という方は、こちらの資料をご活用ください。
受発注システムの種類
受発注システムは、利用形態によってオンプレミス型とクラウド型の大きく2つに分類されます。ここでは、それぞれの特徴と向いている企業について解説します。
オンプレミス型
オンプレミスとは、サーバーやソフトウェアなどのシステム環境を自社で構築・運用する方法です。
サーバーやソフトウェア、アプリケーションなどを社内で所有・設置するため、自社に合った自由なカスタマイズができることが特徴です。また、セキュリティの強度やほかの社内システムとの連携なども、自社で設定できます。
ただし、受発注システムを構築するためのイニシャルコストが高額になりやすく、運用開始まで時間がかかります。構築後は、運用・保守を自社で行う必要があるため、工数がかかりやすい点にも注意が必要です。
オンプレミス型は、以下のような企業に向いています。
▼オンプレミス型の受発注システムが向いている企業
- 自社独自のカスタマイズを行いたい
- 受発注システムの構築や運用・保守を行うリソース・コストがある
- セキュリティを強化したい
クラウド型
クラウドとは、インターネット経由でサービスを利用する形態です。
インターネット環境と端末があれば、サービスを利用できます。
サーバーの構築やシステム開発を自社で実施する必要がないため、コストを抑えやすく、すばやく運用を開始できます。また、保守管理はベンダー側で実施するため、システム運用にかかる業務負荷・人員の削減も可能です。
このような特徴から、クラウド型の受発注システムは、以下のような企業に向いていると考えられます。
▼クラウド型の受発注システムが向いている企業
- 人材リソースが不足しており、受発注システムの構築や運用・保守に労力をかけられない
- 複数の場所(自宅含む)で受発注システムを利用したい
- イニシャルコストを抑えつつ、スピーディーに導入したい
クラウド型の受発注システムにできることについては、こちらをご確認ください。
受発注業務の一元管理には『TS-BASE 受発注』がおすすめ
『TS-BASE 受発注』は、受発注に関わる業務をまとめて管理できるBtoB向けの受発注システムです。
倉庫管理システム・受注するための注文サイト・全体管理の管理システムがすべて連動した仕組みになっており、受発注業務の一元管理を実現できます。複数のシステム会社と契約することなく、TS-BASE 受発注との契約のみですべてのシステムを活用できます。
TS-BASE 受発注を導入することで、受発注の処理や在庫確認をはじめ、それぞれの工程・状況を可視化してWeb上でデータの閲覧・共有を行うことが可能です。Excelへの転記や書類の仕分けも不要になるため、人的ミスの防止、納品トラブルの回避にもつながります。
さらに、自社の物流センターでTS-BASE 受発注を用いた発注業務をしているため、倉庫業務全般のノウハウも蓄積されています。「どうしてもアナログ対応が残ってしまう」「コストや社内体制などの事情により一元化が難しい」とお悩みの担当者の方は、お気軽にご相談ください。
TS-BASE 受発注で業務の一元管理を実現
受発注業務で発生する情報の管理や引き継ぎなどの業務をすべて手作業で行う場合、情報が散在して業務が複雑化しやすいという課題があります。
BtoBの受発注業務に一元管理を行う受発注システムを取り入れることで、注文内容や出荷状況、在庫状況などをリアルタイムで確認できるようになり、業務の効率化を実現できます。
TS-BASE 受発注では、一元管理の実現に向けて業務設計の段階からサポートを実施しています。企業の課題に応じて、機能のカスタマイズのご相談も承っています。
「アナログな管理で受発注情報が散在している」「受発注フローが煩雑化している」などの課題を抱えている企業の担当者さまは、『TS-BASE 受発注』の活用を検討されてはいかがでしょうか。
「TS-BASE 受発注」の詳細資料はこちらからダウンロードできます。