Excel(エクセル)を使った受注管理のメリット・デメリットとポイント
注文内容や出荷状況などの受注管理をExcel(エクセル)で行うことで効率化を図っている企業さまは多いのではないでしょうか。しかし、効率化を目指すうえではいくつか注意事項もあります。
本記事では、受注管理をExcelで行う場合のメリット・デメリット、受注管理のポイントなどを解説します。
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目次[非表示]
- 1.受注管理にExcelを使用するメリット
- 1.1.1.情報の検索性がアップする
- 1.2.2.部署間で情報を共有できる
- 1.3.3.マクロ・VBAで処理を自動化できる
- 1.4.4.コストをかけずに内製できる
- 2.受注管理にExcelを使用するデメリット
- 2.1.1.入力ミスが発生しやすく整合性を確保しづらい
- 2.2.2.データの更新作業にタイムラグが発生する
- 2.3.3.マクロやVBAの活用にノウハウが必要
- 2.4.4.メンテナンスが煩雑になりやすい
- 3.受注管理をExcelで行う3つのポイント
- 3.1.1.更新履歴の管理で最新データを把握する
- 3.2.2 .関数の設定で手入力の手間を省く
- 3.3.3.条件付き書式で入力ミスを防ぐ
- 4.“受発注管理システム”の活用でExcelよりさらに効率化
- 5.Excelでの課題はTS-BASE 受発注で解決可能
受注管理にExcelを使用するメリット
受注管理にExcelを使用する主なメリットは、以下の4つが挙げられます。
1.情報の検索性がアップする
紙の見積書・注文書をExcelで管理することにより、情報検索が行いやすくなります。ファイルや書類を探す必要がなくなるため、取引先・社内からの問合せに迅速に対応することが可能です。
2.部署間で情報を共有できる
Excelファイルは、複数のユーザーと共有できるのが特徴です。受注内容や進捗状況などをファイルに反映しておくことで、各部署との情報共有がスムーズに行えます。
また、事務所・倉庫・店舗とデータを共有することによって、受注プロセスが可視化されるため、受注ミスやトラブルを発見しやすい体制を構築できます。
3.マクロ・VBAで処理を自動化できる
Excelのマクロ機能を用いると、データ計算や整理などの処理を自動化できます。注文内容の入力、見積もり計算などの作業を自動化できるため、定型業務の効率化につながります。
また、Excelの拡張機能であるVBA(Visual Basic for Applications)を用いて、自社の業務形態に応じた処理をプログラミングすることも可能です。
4.コストをかけずに内製できる
Excelは、Officeライセンスの購入のみで利用できるため、コストを抑えられます。
受注管理表を作成できるテンプレートを用いれば、特別な知識を要することなく内製しやすいことも魅力です。システム構築に大掛かりな開発やコストがかからないため、中小企業でも導入しやすいといえます。
受注管理にExcelを使用するデメリット
メリットについて理解したうえで、4つのデメリットについても見ていきましょう。
1.入力ミスが発生しやすく整合性を確保しづらい
受注に関わるデータをExcelに手入力する必要があるため、転記ミスが発生しやすくなります。
また、受注内容が自動で反映されるわけではないため、データが最新版かどうかを把握することも難しくなります。これにより、過去のデータや誤った数値が混在して、整合性が取れなくなる可能性があります。
2.データの更新作業にタイムラグが発生する
Excelはファイルの共有設定をしなければ、複数人での同時編集はできません。共有設定によって同時編集する場合にも使用できる機能が制限されてしまいます。
これにより、データの入力・更新作業にタイムラグが発生することがあります。リアルタイムの在庫引当てや出荷指示ができないため、業務効率の低下が懸念されます。
3.マクロやVBAの活用にノウハウが必要
Excelをより効率的に活用するにはマクロやVBAが有効です。しかし、これらを活用するためには専門的な技術やノウハウが求められます。自社に適した人材がいない場合には内製が難しくなります。
4.メンテナンスが煩雑になりやすい
Excelのバージョンアップを行うと、設定したマクロやVBAのプログラムが正常に動作しない場合があります。バージョンの互換性による問題によって、更新作業や引継ぎに手間がかかってしまう点にも注意が必要です。
受注管理をExcelで行うデメリットについては、こちらでも詳しく説明しています。
受注管理をExcelで行う3つのポイント
メリット・デメリットを把握したうえで、使用する際に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
1.更新履歴の管理で最新データを把握する
最新版のデータかどうかを把握するために、更新日時を管理できるシートを作成することがポイントです。
更新履歴を管理することで、複数人で管理ファイルを編集する際にデータが誤って上書きされてしまうのを防ぎます。
2 .関数の設定で手入力の手間を省く
手入力によるミスを減らすために求める数値を自動計算できる関数を活用することも有効な手段です。手入力の労力を削減できるだけでなく、作業の効率化にもつながります。
受注管理においては、以下のような関数を活用できます。
▼受注管理に活用できる関数
関数 |
内容 |
SUMIF関数 |
検索条件に合致するセルの数値の合計を算出。特定の商品の総売り上げを確認する場合に活用できる。 |
VLOOKUP関数 |
検索条件に合致したデータを抽出。膨大な受注データから特定の商品の価格や出荷数などを調べる場合に活用できる。 |
IFERROR関数 |
計算結果のエラーを判定し、指定のエラーを表示。数式の入力間違いや誤消去を防げる。 |
INDIRECT関数 |
入力規則の元の値に使用することで、細かい分類を行う。商品分類(大分類)がAだった場合、商品種別(小分類)に関数を用いることでAに該当する商品種別のみを表示できる。 |
3.条件付き書式で入力ミスを防ぐ
条件付き書式を活用することで、未入力のセルや条件と異なる数値・文言が入力されているセルに色付けすることが可能です。色付きのセルは目に留まりやすく、入力ミスを早期発見できます。
“受発注管理システム”の活用でExcelよりさらに効率化
Excelの受注管理には効率的なメリットもありますが、リアルタイム性が不十分であることや転記の手間・入力ミスを防ぐための確認作業が必要であることなど、実用化までに工数がかかりやすいというデメリットがあります。
また、互換性の問題によりOfficeのバージョン移行が煩雑化しやすいことも難点です。こうした問題を解決するには、受発注管理システムの導入が有効です。
『TS-BASE 受発注』では、受発注のやり取りをオンライン上で対応できます。注文者が注文時に入力した情報をもとに出荷業務まで進むため、受注データをExcelに転記する必要がありません。これにより、転記ミスの防止や手入力にかかる時間・労力の削減が可能です。
また、TS-BASE 受発注はSaaS型のため、インターネット環境があれば複数人での同時作業・情報共有を行うことが可能です。受注内容・在庫状況などをリアルタイムに管理できるため、データの整合性も確保できます。
ExcelのマクロやVBAなどの専門知識も不要なため、導入後すぐに実用化できることも魅力です。受注管理の効率化・ミス削減に向けて、TS-BASE 受発注の導入を検討されてはいかがでしょうか。
受発注業務を行う上で、エクセルでの運用と受発注システムの運用にはどのような差があるのか気になる方はこちらもあわせてご確認ください。
Excelでの課題はTS-BASE 受発注で解決可能
Excelによる受注管理は、紙面で行う管理を効率化できること、低コストで活用できることなどのメリットがあります。その一方で、リアルタイム性がなく、入力の手間やミスが発生しやすいことなどのデメリットもあります。
より正確で効率的に受注管理を行うためには、受発注データをシステム上で自動反映してリアルタイム共有ができるTS-BASE 受発注の活用が有効です。