クラウド型受発注システムとは? スタンドアロン型・クライアントサーバ型・オンプレミス型との違いを解説
受発注に関わる一連の業務を効率化する方法の一つに、“受発注システム”の活用が挙げられます。
しかし、受発注システムにはさまざまな種類があり、システムの提供形態によって活用方法が異なります。近年では、デジタル技術の進歩や働き方改革の推進に伴い、物理的なサーバを持たない“クラウド”の活用も進んでいます。
これから受発注システムの導入や見直しを検討している管理者のなかには「クラウド型受発注システムにはどのようなメリットがあるのか」「どのような基準で選定すればよいのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、クラウド型受発注システムの概要やほかの提供形態との比較、システムを選定する際のポイントについて解説します。
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目次[非表示]
受発注システムの基礎知識
受発注システムとは、受発注に関する業務を一元管理できるシステムのことです。代表的な機能には、以下が挙げられます。
▼受発注システムの機能例
- 受発注処理
- 受発注内容の一覧表示
- 見積り自動作成
- 顧客・取引先情報管理
- 商品マスタ管理
- 在庫管理 など
受発注システムを導入すると、電話・FAX・メールなどで行っていた受発注業務をデジタル化して、社内の部門間や取引先とのやり取りを円滑に行うことが可能です。基幹システムへの転記や各種帳票の作成・整理などの作業が不要になるため、業務の効率化、人的ミスの削減を図れます。
また、受発注の内容や在庫数、入出荷状況などの情報をシステム内で一元管理できると、店舗・倉庫・取引先とのリアルタイムな情報共有が可能になります。これにより、問い合わせ対応の削減につながります。
受発注の工数を削減して全体のフローが円滑になると、注文受付から出荷までのスピードが早くなり、顧客満足度の向上にも貢献すると期待できます。
なお、受発注業務の業務改善を図る方法については、こちらの資料で解説しています。ぜひご覧ください。
クラウド型受発注システムとは
クラウド型受発注システムとは、物理的なサーバの設置やソフトウェアのインストールが必要なく、インターネット経由で利用できるシステムのことです。
インターネット環境とパソコン・タブレットなどの端末があれば、どこからでも受発注システムにアクセスすることが可能です。保守運用やメンテナンスについても、すべてクラウド事業者が対応することになります。
ほかのシステム形態との比較
受発注システムには、クラウド型のほかにさまざまな提供形態があります。それぞれシステムの利用に必要な環境や運用方法などに違いがあります。
▼受発注システムの利用形態と違い
利用形態 |
インターネット接続 |
ソフトウェアのインストール |
物理サーバの設置 |
データの保管場所 |
1.スタンドアロン型 |
なし |
あり |
不要 |
端末 |
2.クライアントサーバ型 |
なし |
あり |
不要 |
Webサーバ |
3.オンプレミス型 |
あり(※)
|
あり |
必要 |
物理サーバ |
4.クラウド型 |
あり |
なし |
不要 |
仮想サーバ |
※外部とのネットワーク接続は不要
▼スタンドアロン型
スタンドアロン型は、ソフトウェアをインストールした端末のみで機能する利用形態のことです。インターネットに接続できない環境でも利用できますが、複数の店舗・倉庫でシステムを利用する場合や受発注件数が多い場合には、保守運用に負担がかかります。
▼クライアントサーバ型
クライアントサーバ型は、サービスを提供するサーバとそれを操作するクライアントに分けた利用形態です。端末にソフトウェアをインストールしてログインすることでシステムにアクセスできます。複数台での同時編集や運用規模に応じた端末の増減を行えますが、自社で保守運用を行う必要があります。
▼オンプレミス型
オンプレミス型は、システムを利用する拠点に物理サーバを設置して、ソフトウェアをインストールした端末で利用する形態です。企業独自のカスタマイズがしやすいほか、インターネット接続が不要になるため、セキュリティを確保しやすくなります。ただし、サーバも含めて保守運用を行う必要があることから、社内の業務負担が増えやすくなります。
クラウド型受発注システムのメリット・デメリット
クラウド型受発注システムには、受発注に関するやり取りをオンライン上で完結でき、保守運用の負担を減らせるメリットがある一方で、システムの利用についてはインターネット環境やクラウド事業者に依存するというデメリットもあります。
メリット
クラウド型受発注システムを導入するメリットには、以下が挙げられます。
▼メリット
- インターネット環境があればどこからでもアクセスできる
- 保守運用やセキュリティ対策をクラウド事業者に任せられる
- 運用規模の変化に柔軟に対応できる など
クラウド型受発注システムでは、複数の端末からシステムへ同時にアクセスして編集を行えるほか、リアルタイムで情報が反映されます。店舗・事業所・倉庫などの異なる場所でも、同じシステムを利用して受発注の業務を行うことが可能です。
また、ソフトウェアのアップデートをはじめ、電子帳簿保存法やインボイス制度(※)などの法改正への対応をクラウド事業者に任せられるため、システムの運用負担を抑えられます。日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃へのセキュリティ対策を行ってもらえることもメリットの一つです。
また、クラウド型受発注システムでは、プランやユーザー数などによって月額または年額の料金が定められていることが一般的です。事業所の数や運用体制の変化に柔軟に対応できるようになります。
※取引の売手が買手に対して消費税額や適用税率を伝えて、正しい消費税を納めるための制度のこと。
デメリット
クラウド型受発注システムを導入する際は、以下のデメリットがあります。
▼デメリット
- インターネット環境が必要になる
- カスタマイズがしにくい
- サービスが終了するリスクがある など
クラウド型受発注システムは、インターネット環境がない場所では利用できないほか、通信が不安定な場合にはスムーズな運用ができなくなることがあります。
システムを利用する店舗や倉庫などの拠点において、インターネットに安定して接続できる環境を整備することが必要です。
また、カスタマイズ性に制限があるほか、クラウド事業者が受発注システムのサービス提供を終了すれば、継続して利用できなくなるリスクも存在します。
クラウド型受発注システムを導入する際のポイント
クラウド型受発注システムを導入する際は、自社の課題や業務環境に応じたシステムを選ぶことが重要です。
1.自社に必要な機能を洗い出す
自社の受発注業務に必要な機能を洗い出すことがポイントです。
システムによって利用できる機能や構築できる業務フローが異なるほか、カスタマイズの範囲にも一定の制限があります。業種特有や企業独自の商慣習がある場合には、既存のシステムで対応できないケースもあると考えられます。
豊富な機能が備わっているシステムを選ぶと、自社の業務フローに合わせて必要な機能を選択でき、使い勝手を向上できます。
なお、業務フローと必要な機能の洗い出しに役立つツールと使い方は、こちらで紹介しています。併せてご覧ください。
2.システムの操作性を確認しておく
受発注システムの操作性を確認しておくこともポイントの一つです。
機能が豊富なシステムでも、受発注業務を担当する従業員がうまく使いこなせない場合には、業務を円滑に行えなくなる可能性があります。
▼システムの操作性で確認しておくポイント
- 直感的に操作できる
- 複雑な経路を辿ることなく受発注のフローをスムーズに進行できる
- 注文内容や出荷状況が一覧化されていて確認しやすい など
また、社内の関係者だけでなく取引先の担当者にもシステムを使用してもらう必要があるため、専門知識がなくても簡単に操作できることが求められます。
3.基幹システムとの連携機能を比較する
受発注システムを選択する際には、社内の基幹システムとの連携機能があるかを確認しておく必要があります。基幹システムとは、社内の主要業務を管理するためのシステム全般を指します。
▼基幹システムの例
- 販売管理システム
- 生産管理システム
- 財務会計システム など
受発注システムとほかの基幹システムで連携ができない場合には、手動でデータを抽出・転記する必要があり、担当者の作業負担を招くほか、入力ミスや転記漏れなどの人的ミスの発生につながります。
注文履歴や出荷実績といったデータを出力して連携できる受発注システムを選定すると、社内の報告作業、需要予測などに役立ちます。
なお、基幹システムとの連携についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
TS-BASE 受発注でクラウドでの受発注管理を実現
『TS-BASE 受発注』は、クラウド型のBtoB向け受発注システムです。
受発注の処理・在庫管理・入出荷管理といった受発注にかかる一連の業務を一元化して、オンライン上で情報共有できる体制を整備することで、業務効率の向上に貢献します。
また、物理サーバの構築やソフトウェアのインストールが不要となり、導入後すぐに実用化することが可能です。貴社でシステムの保守運用やセキュリティ対策を行う必要がないため、運用負担とコストを抑えられます。
▼TS-BASE 受発注の特徴
- 注文者・受注者・仕入先で活用する3つのシステムを選択・組み合わせできる
- 50種類以上の機能から業務フローに合わせた設計ができる
- 機能やアカウント数に応じて初期費用・月額費用が変わる
- 初期導入支援や運用サポートにも対応している など
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