業務改善に役立つ無料エクセルの活用手法と5つのステップ
業務改善を行って効率化を図りたい方へ。無料でダウンロードできる専用のエクセルシートを活用した、「5つのステップで行う業務改善につながる手法」をご紹介します。
業務効率化を図りたいけど、どんな手法で何から実行したらよいか分からない場合、現状把握を優先してみることをおすすめします。この記事では、企業の「受発注業務」を例に“業務の洗い出しの方法”の流れを説明しています。業務改善へ向けた一つの手法として参考にしてみてください。
目次[非表示]
業務改善シートを作る目的と5つのステップ
業務改善を図るには、まずは現状把握が必要です。
現状の認識を深めた上で、
・不要な業務をカットする
・フローを変更してみる
・テクノロジーの導入を検討してみる
などの検討を行ってみてください。
業務改善の手法として、DX化を検討する場合は特に重要です。
理由は、業務改善のためにシステムを導入しただけでは課題が解決できるとは限らないからです。
では、既存の状態で業務改善を図ったり、システムの恩恵を最大限に獲得するにはどうしたら良いのでしょうか。それには、「解決すべき課題を明確に見える化して知る」「その課題を解決できそうな手法を検討する」が大切になります。この二つを行うために、5つのステップを実行して課題となる業務の整理を行うことをお勧めします。
◆業務改善のための5つのステップ
ステップ① 解決したい業務の明示
ステップ② 課題業務を分解する
ステップ③ 優先度の入力
ステップ④ 業務改善の手法を検討する
ステップ⑤ 業務改善シートのブラッシュアップ
全体の把握や課題の洗い出しは必要なプロセスです。業務の整理やフローを見直すことで、すぐに改善可能な領域が発見できるかもしれません。業務改善手法の一つとして、これからご紹介する5つのステップをぜひ参考にして取り入れてみて下さい。
▼業務改善に役立つ無料エクセル
業務改善シート専用のExcelシート(2バージョン)を無料でダウンロード。
使用方法は各シート内「シートの使い方」に記載されています。
業務改善シートの作り方
業務改善手法をご紹介する前に、注意点をお伝えしておきます。
課題を洗い出している時は、「業務と向き合うことだけに注力」をしましょう。
関係者やリソースなど、考慮すべきことはたくさんあります。周囲のことを考えて、ちゅうちょしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、課題の根本を解決できれば関係する他部署へ派生する見込もあり、大幅な業務改善へとつながる可能性があります。また、見える化しておくことで、他の人や上長視点からの新たな発見や手法があるかもしれません。なので、感じるままの課題や現状のありのままを書き出すことをお勧めします。
では、企業の「受発注業務」を例に、ステップに沿って説明します。
ステップ① 解決したい業務の明示
「面倒に思う」「効率化したい」「リスクが多い」など、日々の業務で感じる思いを「受発注業務で解決したい課題」として洗い出していきます。
【解決したい課題例】
・注文者や物流部門とのやりとりが多い。
・受注情報を手書きでメモをしている。
・リモートワークを推進したい。 など
受発注業務は多くの人間が関わります。なので、できる限り各領域の担当者から意見を聞いて、議論を深めていくことをお勧めします。
出された“解決したいこと”は、業務改善シート「既出課題」として入力していきます。
▼業務改善シートへの「既出課題」入力例
向かって左 業務改善シート_マクロ版、向かって右 業務改善シート_通常版
ステップ② 課題業務を分解する
①の各項目を具体的に分解して原因を追求します。ここでは、業務改善が必要な課題業務に関連するタスクを全て振り返り、根底はなにかを明確にしていきます。これは、「課題の根源」を知るために必要な手法になります。
【分解例】 「注文者や物流部門との連絡回数が多い」という受発注業務課題の分解
表面上で課題が解決されても、根が残っていると課題は消えません。丁寧に洗い出して課題の根底を見つけてください。場合によっては、全業務をリスト化して検証した方が良いケースもあります。課題数や細分化後の量感を考慮して判断をしてみてください。
ここで分解した“課題に対する根源”は、業務改善シート「課題の根源」へ登録していきます。
▼業務改善シートへの「課題の根源」入力例
向かって左 業務改善シート_マクロ版、向かって右 業務改善シート_通常版
ステップ③ 優先度の入力
次に、業務改善したい課題の「解決優先度」を入力します。
課題や根源の内容を考慮しながら、“全ての根源にランク付け”を行う作業です。そして、優先度の高い業務の中から「最重要」となる業務を決定していきます。
この作業を行うメリットは、
・取捨選択が必要になった場合の判断基準になる。
・早期に業務改善する課題が見える化される。
などが挙げられます。
このページで無料ダウンロートできる“業務改善用Excelシート”では、数字が若いほど優先度が高くなる設定になっています。最優先の項目が多すぎると、システム選定が難しくなるので注意をしてください。
▼業務改善シートへの「優先度ランク」入力例
向かって左 業務改善シート_マクロ版、向かって右 業務改善シート_通常版
ステップ④ 業務改善の手法を検討する
業務改善したい課題の整理が終わったら、課題解決につながる手法を具体的に考えていきます。
例としている企業の受発注業務では、
・業務を廃止する。
・フローの変更を検討する。
・外注先を新たに探す。
・受発注管理システムを導入する。
などの改善手法が挙げられます。課題が集中している領域があれば、その部分を優先して検討を進めてみてください。改善手法がすぐに思いつかない場合は、ステップ④は後回しにして、ステップ⑤へ進んでください。
ステップ⑤ 業務改善シートのブラッシュアップ
業務改善シートの「効率化希望度」の設定を行って、手法を駆使すれば解決できそうな業務や、システムで自動化できそうな業務を見える化していきます。
解決の見込や可能性が高い業務を仕分けするイメージで、業務改善シート内で可視化していきます。このページで無料ダウンロートできる“業務改善用Excelシート”では、「高」「中」「低」の3種類を使って可視化をしていきます。そして、このシートでは、「優先度」と「効率化希望度」を設定すると自動で色分けされる仕組みになっています。
▼業務改善シートへの「効率化希望度」入力例と色分けによる可視化
向かって左 業務改善シート_マクロ版、向かって右 業務改善シート_通常版
赤や濃い色ほど、“優先順位が高く、効率化希望度も高い”の業務になるので、「改善手法の候補があって、即着手できる課題」が一目瞭然になります。
そして、作業完了後に色のバランスを一覧表示で確認してください。濃色が集中している課題、反対に色が薄い課題など、課題の傾向も可視化できているでしょう。見える化されたシートを見ながら、関係者と意見交換を密に行って議論をすすめてみてくだい。
以上が、5つのステップで行う業務改善へつながる課題の洗い出し手法です。
課題整理や業務改善の検討と実行は、定期的に行うと良いでしょう。この記事では、企業の「受発注業務」を例に説明していますが、この手法はあらゆる業務への応用が可能です。自身の担当業務に置き換えて、業務改善シートの作成をおこなってみてください。
▼業務改善に役立つ無料エクセル
色分け機能も要する「業務改善シート専用のExcelシート(2バージョン)」です。
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