受注業務の一般的なフローと改善ポイント
受注業務において「取引先との連絡回数が多い」「在庫確認や承認などのプロセスに時間がかかる」といった課題はないでしょうか。
これらの課題を抱えているケースでは、受注フローが非効率になっている可能性が考えられます。受注フローが非効率になっている状況では、出荷までのリードタイムが長くなり、人的ミスも発生しやすくなってしまいます。
出荷の遅延・ミスを防ぐためには、受注業務のフローを見直して、改善を図ることが重要です。この記事では、一般的な受注業務のフローとともに、改善するためのポイントについて解説します。
受発注業務の基本を振り返りたいとお考えの方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.一般的な受注業務のフロー
- 2.受注業務のフローを改善するポイント
- 2.1.1. 取引書類の電子化
- 2.2.2. 受注業務のシステム化
- 2.3.3. 在庫の見える化
- 3.『TS-BASE 受発注』で受発注業務の精度を向上
一般的な受注業務のフロー
一般的な受注業務は主に4つの工程に分かれています。また、受注側・発注側それぞれの業務内容が異なります。
▼業務フローにおける発注者・受注者の業務内容
業務フロー |
発注者 |
受注者 |
①見積もり |
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②契約の締結 |
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③商品の受取・発送 |
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④支払い・請求 |
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①見積もり
▼発注側
商品を発注するために、受注者に見積もりを依頼します。その際、受注者側に商品の名称・品番・個数・希望納期・納品場所などを伝えます。
▼受注側
新規の取引先に向けて、あるいは取引価格が変動する場合、発注者へ見積書を送付します。その際、商品ごとに取引価格・合計金額・納品日・支払い条件などを伝えます。
②契約の締結
▼発注側
見積もり内容を確認して問題なければ、注文・発注に進みます。受注者に注文書・発注書を送り、受注者が受領・処理することで取引成立となります。
▼受注側
注文書・発注書の内容を基に、受注処理を行います。その際、在庫状況の確認や在庫引当、納期調整なども併せて行います。受注内容は受注管理表や社内システムなどに登録しましょう。受注処理後には受注伝票を作成して発注者へ送付します。
③商品の受取・発送
▼発注側
納品場所に送られた発注商品を受け取ります。納品内容に問題がなければ、検収書を発行して、受注者へ送付します。
▼受注側
出荷指示書や納品書を作成して、倉庫へ出荷指示を出します。その際、在庫数が不足する場合は、仕入先への発注が必要です。倉庫担当者は、出荷指示書を基にピッキング・検品・梱包を行います。その後、注文内容と差異がないか最終確認をして、納品場所へと商品を配送します。
④支払い・請求
▼発注側
商品の受取後、請求書の内容に沿って取引代金を入金します。入金後は、受注者から領収書を受け取ります。
▼受注側
商品の出荷後、売り上げ伝票を作成して、発注者に請求書を送付します。入金の確認ができたのち、領収書を送付して取引の完了です。
受注業務のフローを改善するポイント
効率的に受注業務を進めるには、フローの改善が必要です。ここからは受注業務を改善する3つのポイントを紹介します。
1. 取引書類の電子化
1つ目のポイントは取引書類を電子化して、書類の作成・送付といった業務の効率化を図ることです。システムやツールを活用して取引書類を電子化することで、各フローでオンラインによる対応が可能になります。
▼各フローでできること
- フロー①:見積書のオンライン発行・送付
- フロー②:注文書のオンライン発行・送付
- フロー④:請求書のオンライン発行・送付
取引書類の電子化により、書類の作成や郵送・FAX送信、書類の保管が不要になり、フロー①②④の業務工数を削減できます。さらに、郵送費や通信費などの経費削減にもつながります。
取引書類の電子化については、こちらの記事もご確認ください。
紙帳票を電子化するメリットとは? 注意点やポイントも解説
2. 受注業務のシステム化
2つ目のポイントは電話・FAX・メールなどで対応している受注業務をシステム化して、フロー全体の効率化を図ることです。受発注システムを導入すると、以下の業務を自動化できます。
▼各フローでできること
- フロー①:見積書の自動作成、オンラインでの見積もり提示・納期回答
- フロー②:オンライン上での受注の承認、受注内容の自動登録、注文書の自動作成
- フロー③:出荷指示の自動化
- フロー④:請求書の自動作成・送付
受注から出荷までの業務の一部を自動化することで、省力化による生産性の向上が期待できます。また、受注処理を迅速化できるため、リードタイムの短縮にもつながります。
受発注システムで行える業務や選定のポイントは、こちらの記事でも詳しく解説しています。
受発注システムの主な機能とシステム選定のポイント
3. 在庫の見える化
3つ目のポイントはクラウドシステムを活用して、倉庫の在庫情報を見える化することです。拠点の在庫情報を見える化することで、適正な納期回答、仕入発注が可能になります。
▼各フローでできること
- フロー②:システム上での有効在庫数の確認、商品入荷予定の確認
- フロー③:商品の保管場所の確認、出荷状況の確認
在庫確認が見える化されると、在庫確認のためにに倉庫まで足を運んだり、倉庫担当者に電話で問合せたりする必要がなくなります。
在庫状況に応じた在庫補充や仕入発注、納期回答が可能になることで、在庫ロス・出荷遅延などのトラブル防止につながります。
在庫状況を見える化するポイントについて、詳しくはこちらもご覧ください。
在庫の“見える化”で期待できる効果と方法
また、従来の業務を見直してシステムを導入した結果、業務効率化に成功した事例はこちらからご覧いただけます。
『TS-BASE 受発注』で受発注業務の精度を向上
受注業務のフローでは、発注者・受注者間で発生するやり取りのほか、受注から出荷までに社内でさまざまな情報を伝達する必要があります。
「電話・FAXでやり取りしている」「注文書・発注書などを紙ベースで管理している」などの場合には、フローが複雑化しやすく、業務効率の低下や人的ミス・タイムロスが発生してしまうことがあります。
このような受注フローの問題を改善するためには、受発注管理システムの活用が有効です。受発注管理システムの『TS-BASE 受発注』には、受注業務のフロー改善に役立つさまざまな機能が備わっています。
▼メールの自動送信
注文完了時点・注文取消時点・注文訂正時点・出荷完了時点など、それぞれのタイミングで発注者に対して自動でメールを送信できます。個別で注文のステータスを確認してメールを送信する必要がないため、受注担当者の業務負荷を軽減できます。
▼各種書類の自動出力
出荷指示書・出荷明細書・棚ラベルといった伝票や書類を自動出力できます。出荷・倉庫管理に関する業務の効率化を図れます。
▼在庫状況の可視化
倉庫にある在庫情報は、TS-BASE 受発注上で可視化・共有が可能です。リアルタイムで情報共有できることにより、在庫確認プロセスの削減、在庫の適正化につながります。
▼見積書の自動作成
オプション機能で、注文サイトでの注文時にExcelファイルの見積書を自動で作成することも可能です。見積書作成にかかる時間・労力を削減できます。
見積作成機能についてはこちらのページで詳しく紹介しています。
受注業務フローの効率化、精度向上に向けて、TS-BASE 受発注をぜひご検討ください。