紙帳票を電子化するメリットとは? 注意点やポイントも解説
電子帳簿保存法の改正により、帳票の電子化が推進されています。
働き方改革や新型コロナウイルス感染症対策によるリモートワークの普及拡大を受け、受発注業務においても、紙やFAXを用いた帳票を電子化する動きが広がると予想されます。
しかし、紙帳票による従来の商慣習が根付いている企業では「リモートワーク環境を構築したいが、ペーパーレスへの切り替えが難しい」と感じる担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、紙伝票による課題を踏まえ、電子化のメリットや進め方のポイントなどを解説します。
出典:国税庁『電子帳簿保存法が改正されました』
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目次[非表示]
- 1.紙帳票の運用による課題
- 1.1.1.コストがかかる(手作業・郵送コスト)
- 1.2.2.紙帳票の検索や保管が負担になる
- 1.3.3.情報漏洩や紛失リスクがある
- 2.紙帳票を電子化するメリット
- 2.1.1.帳票作成の手間を削減できる
- 2.2.2.帳票のやり取りを効率化できる
- 2.3.3.帳票データを適切に保管できる
- 3.帳票の電子化に向けたシステム導入のポイント
- 3.1.1.帳票の種類や利用頻度を明確化する
- 3.2.2.業務フロー・取引ルールを作成する
- 3.3.3.データ連携が必要な業務を洗い出す
- 4.帳票を電子化する際の注意点
- 5.帳票の電子化でコスト削減とリスク低減を実現
紙帳票の運用による課題
紙帳票による運用では、コスト・管理の負荷・リスクといった3つの面で課題があります。
1.コストがかかる(手作業・郵送コスト)
手書きによる帳票作成やFAX、郵送の作業に工数がかかり、人的コストが発生する課題があります。誤字脱字のチェックや修正対応が発生すれば、人的コストの負担につながります。
また、帳票に用いられる用紙や印刷にかかるコスト、紙帳票を取引先に送付する際の郵送コストもかかります。
2.紙帳票の検索や保管が負担になる
受発注業務を紙帳票でやり取りをしている場合、膨大な紙帳票から必要な情報を探すのに手間がかかります。
併せて、ファイリングや保管場所の確保も必要です。数年間で廃棄が決まっている帳票に関しては、定期的に保管場所を見直す必要もあります。紙帳票の管理には、担当者の負荷となるさまざまな業務が発生します。
3.情報漏洩や紛失リスクがある
見積書や注文書などを紙で管理していると、情報の持ち出しによる情報漏洩や災害による紛失リスクがあります。
また、紙帳票では閲覧権限設定やデータによる保存ができないため、セキュリティ面でも不安が残ります。
紙帳票を含めたアナログ業務からの脱却方法については、こちらもご覧ください。
紙帳票を電子化するメリット
紙帳票を電子化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主なメリットを3つ取り上げます。
1.帳票作成の手間を削減できる
パソコンで帳票を作成することで手書きの手間を削減できます。担当者の負担が軽減され、コア業務に注力しやすくなります。
また、外出先や自宅の端末からでも作業できるため、リモートワークの導入にも有効です。
2.帳票のやり取りを効率化できる
帳票をFAXや郵送で送る必要がなくなるため、取引先とのやり取りを効率化できます。帳票の処理や提出がスムーズになることで、受発注のタイムラグを防ぐことも可能です。
また、取引中や過去の帳票は電子データで検索できるため、検索性の向上にも貢献します。取引先からの問合せに迅速に対応できるほか、帳票をファイリングしたり保管したりする手間も削減できます。
3.帳票データを適切に保管できる
紙面でのやり取りを電子化することで、物理的な保管スペースが不要になります。
帳票データを電子データとして保存できるため、バックアップやセキュリティ対策も可能です。帳票データの情報漏洩や紛失リスクを低減できることは、企業にとって大きなメリットといえます。
帳票の電子化に向けたシステム導入のポイント
帳票の電子化に向けて、スムーズにシステム導入を進めていくために、以下のポイントを押さえましょう。
1.帳票の種類や利用頻度を明確化する
自社で扱う帳票の種類や利用頻度を洗い出します。このとき、閲覧回数が多く必要性の高い帳票から電子化し、段階的にペーパーレス化を進めていくことがポイントです。
すべての帳票を一度に電子化すると、現場や取引先とのやり取りに混乱が生まれやすくなるためです。
2.業務フロー・取引ルールを作成する
システムの導入によって受発注業務のフローが変わります。そのため、以下のように業務フローや取引ルールの見直しが必要です。
- 業務フローをマニュアル化し、定着するためのフォローを行う
- 取引ルールを定め、電子化する帳票やフォーマットなどの情報を取引先と共有する
システム導入による混乱を防ぐために、必要に応じて取引先と業務フローや取引ルールを定めておくことがポイントです。
3.データ連携が必要な業務を洗い出す
システムの導入時には、受発注業務だけでなく、在庫管理や販売管理などのデータ連携を考慮する必要があります。
受発注を行う担当者をはじめ、倉庫や店舗などの各部署とシステム上で帳票の確認・承認ができるシステムの活用が有効です。データ連携を可能にすることで、社内の情報共有ミスを防ぎ、引継ぎ時のタイムラグを削減できます。
帳票を電子化する際の注意点
帳票を電子化する際、取引先によっては紙帳票を希望されることがあります。帳票を電子化するにあたり、取引先の理解を得ることが重要です。
また、帳票の種類によりますが、紙でやり取りした帳票を電子化できないケースもあります。電子化できる帳票・できない帳票を明確化したうえで、電子化できる箇所のペーパーレス化を進めていくことが重要です。
なお、帳票の電子化を進めるうえでは、インターネット上で帳票の作成およびやり取りを行えるシステムの活用も有効です。導入コストや運用体制を考慮したうえで自社に適したシステムを導入しましょう。
帳票の電子化でコスト削減とリスク低減を実現
紙帳票には、業務効率の低下や人的ミスの発生など、さまざまな課題があります。
電子化によって手書きや郵送にかかる手間を削減すれば、人的ミスの防止、検索性の向上が期待できます。メールやシステム上で帳票のやり取りが可能になるため、テレワークの推進にも貢献します。
紙伝票を電子化するためのシステムを導入する際は、帳票の種類や利用頻度を踏まえ、電子化の必要性が高い箇所から段階的にペーパーレス化を進めるのがポイントです。また、業務フローや取引ルールを定め、在庫管理や販売管理などとのデータ連携の範囲を考えることも重要必要です。
受発注管理システムの『TS-BASE 受発注』を活用すれば、受発注処理や取引先への納期回答などもシステム上で対応できます。受発注管理や在庫管理ができる機能も備わっており、帳票の電子化に向けたペーパーレス化を後押しします。紙帳票の電子化、受発注に関する業務効率化を図りたいという企業の担当者さまは、TS-BASE 受発注の導入をぜひご検討ください。