受発注システムを自作する3つの方法。自作のメリット・デメリット
受発注システムとは、受発注業務を一元管理できるシステムのことです。
電話・FAX・メールなどで行ってきた受発注のやり取りをデジタル化できるため、業務の効率化を図れるほか、処理漏れ・転記間違いといった人的ミスの防止に役立ちます。
受発注システムの導入には、事業者が提供している既存のシステムを利用する方法だけでなく、社内で自作(内製)する方法もあります。
これから受発注システムの導入を検討している管理者のなかには、「受発注システムはどのような方法で自作できるのか」「自作するメリット・デメリットを知りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、受発注システムを自作する方法やメリット・デメリット、自社に合った受発注システムを導入するポイントについて解説します。
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目次[非表示]
受発注システムを自作する方法
受発注システムを自作するには、社内のプログラマーに依頼して作成する方法のほか、Microsoft Excel(※1)(以下、Excel)やMicrosoft Access(※2)(以下、Access)を利用することが可能です。
ExcelやAccessを用いると簡易的な受発注システムを自作できるため、主に社内の備品・販促物の受発注に活用されます。
※1…Microsoft Excel は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
※2…Microsoft Accessは、マイクロソフト社が提供する製品です。
1.社内プログラマーに作成してもらう
社内にシステム開発を行えるプログラマーがいる場合には、プログラミングコードを記述して一からシステムを自作することも可能です。
自社の受発注業務に合わせた独自のシステムを開発できるため、社内向けの簡易的なシステムだけでなく、社外の取引先と受発注のやり取りを行える多様な機能やフローの構築も行えます。
ただし、高度なシステムを開発するには時間とコストがかかるほか、専門的な知識・スキルを持つプログラマーを確保する必要があります。また、自社のプログラマーに依頼すると、システム開発後も保守運用のために雇用し続ける必要があり、退職時のリスクが伴います。
2.Excelで作成する
Excelは、図表の作成や関数・数式を用いたデータの計算などを行えるアプリケーションです。受発注システムを自作する方法は、主に2つあります。
▼Excelで受発注システムを作成する方法
- 関数・マクロ・VBAを活用して一からフォーマットを作成する
- 無料公開されているテンプレートを利用する
Excelには関数・マクロを設定できるため、規則性のあるデータの入力や特定の数式を参照した計算を自動で行えるようになります。
また、インターネット上で無料公開されているテンプレートを利用することも方法の一つです。基本的な機能や項目が備わっているため、簡単に受発注システムを自作できます。テンプレートを基に必要な項目を追加・カスタマイズすると、使いやすい受発注システムに仕上げることが可能です。
ただし、Excelでは保存できるデータ量に制限があるほか、関数・マクロを多数設定すると実行速度が遅くなり、操作性に問題が生じる可能性があります。
Excelを使った受発注管理に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
Excel(エクセル)を使った受注管理のメリット・デメリットとポイント
3.Accessで作成する
Accessは、データの集計や検索などを行うデータベースを構築できるソフトウェアです。
用途に応じた複数のテンプレートが用意されているほか、マクロ機能を活用して処理の自動化を行えます。高度なプログラミングの知識がなくても、ノーコードで受発注情報の管理を行えるシステムを自作することが可能です。
Accessでは、Excelと比較して取り扱いできるデータ量は大きくなりますが、商品や取引先の数が多いケースでは処理しきれない可能性があります。また、複数人での共同編集を行えないため、特定の担当者に運用が依存しやすい点には注意が必要です。
なお、受発注システムの導入にあたって自社の業務課題を洗い出す際には、こちらのツールをご活用ください。
受発注システムを自作するメリット
受発注システムを自作するメリットには、以下が挙げられます。
▼メリット
- 導入コストを抑えられる
- 柔軟なカスタマイズができる など
ExcelまたはAccessを利用して簡易的な受発注システムを自作する場合には、既存システムの導入やプログラマーが自作する場合と比べて、導入コストを抑えやすくなります。既にExcelまたはAccessを業務に使用している企業であれば、新たにソフトウェアを購入せずに利用できる場合もあります。
また、自社の受発注業務に合わせて必要な機能やフローを柔軟にカスタマイズして、使い勝手のよいシステムを作成しやすいこともメリットといえます。
受発注システムを自作するデメリット
受発注システムを自作する際には、デメリットもあります。
▼デメリット
- 自作するための知識・スキルが必要になる
- 仕様変更が行われる可能性がある
- 構築した担当者が退職するリスクがある など
受発注システムを一から自作する際には、システム開発やプログラミング、関数・マクロなどに関する専門的な知識・スキルが求められます。
また、ExcelやAccessを利用する場合、バージョンアップによってソフトウェアの仕様が変更されてしまい、受発注システムの操作方法や業務フローの見直しが必要になる場合があります。
さらに、システムを開発したプログラマーが退職してしまうと、改修や保守運用、トラブル対応などができなくなるリスクもあります。自作する際には、特定のプログラマーに依存せず継続的に運用できる体制を構築することが必要です。
自社に合った受発注システムを導入するには
自社に合った受発注システムを導入して安定稼働させるには、自作ではなく以下の方法を選択することも一つの方法です。
▼自社に合った受発注システムを導入する方法
- ITベンダーに開発を依頼する
- SaaSの受発注システムを利用する
ITベンダーに依頼すると、社内にプログラマーが居ない場合でも、多岐にわたる機能を備えた独自の受発注システムを導入できます。
また、SaaSの受発注システムを利用する方法もあります。SaaSとは、クラウド事業者が提供するクラウドサービスをインターネット経由で利用する形態です。
クラウド型のシステムに移行すると、自作した受発注システムの故障やソフトウェアの仕様変更などに対応する負担をなくすことが可能です。新たにソフトウェアを開発する必要がないため、短期間で導入しやすいほか、導入時のコストを抑えられるメリットもあります。
そのほか、クラウドサービスによっては、一定の範囲内で自社に必要な機能の選択・追加やカスタマイズを行うことが可能です。
なお、クラウドサービスを活用して業務を効率化する方法については、こちらの記事で解説しています。
受発注システム『TS-BASE 受発注』は誰でも簡単に使える
受発注システムは、ExcelやAccessを利用したり、社内のプログラマーに依頼したりして自作することが可能です。ただし、関数・マクロやプログラミングの知識・スキルが求められるほか、仕様変更への対応、導入後の運用に負担がかかる課題もあります。
受発注システムを自作する知識・スキルの面に課題がある企業では、SaaSの受発注システムを利用することが有効です。自作する際の開発コストや運用負担を抑えつつ、自社に合った受発注システムを導入できます。
『TS-BASE 受発注』は、クラウド環境で利用できるSaaSの受発注システムです。複数人での同時編集に対応しているほか、50種類以上の機能によって、企業のニーズ・課題に合わせた柔軟なカスタマイズが可能を行えます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。