
口頭発注とは。トラブルを防いで円滑な受発注取引を実現するには
企業間取引において商品や資材、原材料などを仕入先へ発注する際には、対面や電話などによる口頭発注が行われることがあります。
「ルート営業の訪問時にその場で注文を行っている」「商品を届けにきた取引先の担当者に口頭で注文している」といった企業もあるのではないでしょうか。
口頭発注は法律上の問題はないものの、発注者・受注者間でのやり取りに誤解が生じてしまい納品のトラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。
この記事では、口頭発注の有効性やよくあるトラブル例、円滑な受発注取引を行うための対応について解説します。
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口頭発注とは
口頭発注とは、取引相手と書面を取り交わさずに対面での会話によって発注を行うことです。『民法』第522条では、取引内容について双方が合意しており特別な定めがない場合には、口頭でも契約は成立すると定められています。
▼民法第522条
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
引用元:e-Gov 法令検索『民法』
FAXやメールで発注を行う場合には、受注者による見積りの提示や受注の連絡があるまで時間がかかる場合があります。口頭発注であれば、取引先の訪問時や商談時にその場で合意を得られるため、スピーディに発注を行うことが可能です。
ただし、『中小受託取引適正化法(通称、取適法)』が適用される取引では、発注者が受託事業者に対して必要事項を記載した書面を交付することが義務づけられています。書面を交付せずに口頭発注した場合には法律違反となるおそれがあるため、注意が必要です。
▼中小受託取引適正化法 第七条
(書類等の作成及び保存)
第七条 委託事業者は、中小受託事業者に対し製造委託等をした場合は、公正取引委員会規則で定めるところにより、中小受託事業者の給付、給付の受領(役務提供委託又は特定運送委託をした場合にあつては、中小受託事業者から役務の提供を受けたこと)、製造委託等代金の支払その他の事項について記載し又は記録した書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第十四条第三号において同じ。)を作成し、これを保存しなければならない。
引用元:e-Gov 法令検索『製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 』
出典:e-Gov 法令検索『民法』『製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律』
口頭発注でよくあるトラブル例
口頭発注では、会話の流れで自社が注文内容を伝えたあと、注文を受けた取引先の担当者が受注部門へと情報共有を行います。このような一連のフローにおいて、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
注文内容の聞き間違い
自社が口頭で発注した内容を取引先の担当者が聞き間違えてしまうケースがあります。誤った注文内容で受注の処理が行われると、誤納品によって必要な仕入れができなくなり、事業活動にも影響する可能性が考えられます。
また、口頭発注では会話した内容が記録に残らないため、誤納品のトラブルが生じた際に原因を特定できなくなり、問題の解決が難しくなるほか、再発防止策も講じにくくなります。
受注の処理漏れ
取引先の担当者が口頭発注を受けたあとに、受注処理が漏れてしまう可能性があります。受注の処理漏れが起こる原因には、「会話の際に記録したメモをなくしてしまった」「受注部門への連絡や基幹システムへの入力を忘れていた」などが考えられます。
取引先による受注が正しく行われていない場合には、注文した商品が届かなかったり、納品が遅れたりするトラブルにつながります。
発注者・受注者間での認識の相違
口頭発注で起こりやすいトラブルといえるのが、発注者・受注者間における認識の相違です。会話でのやり取りは双方の誤解を招きやすく、取引内容や条件について「言った」「言っていない」といった問題につながる可能性があります。
双方のコミュニケーションが不十分な場合や、注文内容に関する認識の擦り合わせを行わなかった場合などは、認識の相違が生まれやすくなります。
発注者・受注者間での認識の相違により起こるトラブルのひとつに、「テレコ出荷」があります。こちらもご覧ください。
口頭発注のトラブルを防ぐには発注書の発行が必要
口頭発注による聞き間違いや受注の処理漏れ、認識の相違などのトラブルを防ぐには、注文内容を記載した発注書を発行することが重要です。
発注者が受注者へ発注書を発行することで、注文した商品・金額・数量などについて双方の認識を合わせられるようになり、誤納品や遅延を防止できます。
発注書を発行する方法には、主に以下の3つが挙げられます。
1.FAXでの送信
取引先の受注窓口となる連絡先を確認して、FAXで発注書を送信する方法です。
FAXで送信すると注文内容を記載した書面が取引先の手元に残ることから、聞き間違いや受注の処理漏れを防ぎやすくなります。
ただし、手書きで記入した発注書の場合には、取引先が文字・数字を読み違えてしまう可能性があるほか、FAX文書の紛失や破損などのリスクがあります。
2.メールでの送信
メールを利用して取引先の担当者へ発注書のファイルを添付する方法です。
パソコンで発注書を作成することで、文字・数字の手書きによって取引先が読み違えてしまうトラブルを防げます。また、添付したファイルは端末内やサーバに保存できるため、紛失・破損の防止にもつながります。
ただし、取引先が受信メールを見逃したり、セキュリティ設定によってメールが届かなかったりして発注書を確認してもらえない可能性も考えられます。取引先からメールの返信がない場合には、発注書を受領したかどうか電話での確認が必要になる場合もあります。
3.受発注システムの利用
受発注システムを利用して、発注書の発行をオンラインで行う方法もあります。
受発注システムは、受発注に関する業務を一元管理して、発注者・受注者間における一連のフローをデジタル化できるシステムです。
発注者は注文画面から見積りの依頼と商品の発注を行い、システム経由で発注書を送付できるため、口頭発注による聞き間違いやメモの紛失などを防止できます。
また、注文内容は受注者側の画面に反映されることから、「受注部門への連絡や基幹システムへの入力を忘れていた」といったトラブルの防止を図れます。
FAXやメールを利用する場合と比べて、発注者・受注者の双方におけるフローを効率化して人的ミスも防げるため、円滑な受発注取引につながります。
BtoB向けの受発注システムについては、こちらの記事をご確認ください。
BtoB向け受発注システムの導入ガイド。種類と導入までの手順
口頭発注でのトラブルが不安なら『TS-BASE 受発注』がおすすめ
口頭発注は、対面でのコミュニケーションによって迅速な発注を行えることが利点です。しかし、受注者側での聞き間違い・処理漏れが発生したり、双方の認識に相違が生じたりして誤納品や遅延などを招くリスクがあります。
口頭発注のトラブルを防ぐには、注文内容を記載した発注書を発行することが重要です。発注書の発行にはFAXやメールを用いる方法がありますが、より円滑にやり取りするには受発注システムの導入がおすすめです。
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