発注業務が難しい…! よくある課題とフローを改善する3つのポイント
小売業や卸売業、製造業などの現場では、必要な商品または原材料などを仕入先に注文して調達する発注業務が行われます。
発注業務では、在庫数を踏まえて適切なタイミングで発注処理を行う必要があります。しかし、発注フローが多かったり、多岐にわたる商品を取り扱ったりしている現場では、発注業務が煩雑化しやすい課題があります。
管理者のなかには「発注フローが多く、部門間の連携や確認作業に時間がかかる」「ヒューマンエラーによって販売機会の損失やトラブルが起きている」などの課題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、発注業務の基本的なフローやよくある課題、フローを改善するポイントについて解説します。
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目次[非表示]
- 1.発注業務の基本的なフロー
- 2.発注業務でよくある課題
- 2.1.関連部門とスムーズに連携できない
- 2.2.ヒューマンエラーが起こりやすい
- 2.3.業務負担が大きい
- 2.4.在庫の余剰・不足が発生する
- 3.発注業務のフローを改善するポイント
- 3.1.1.適正在庫数を設定する
- 3.2.2.発注方式を見直す
- 3.3.3.発注業務をデジタル化する
- 4.発注業務のフローを改善する『TS-BASE 受発注』
発注業務の基本的なフロー
発注業務では、自社に必要な商品を発注する場合と、他者から受注した商品を仕入先の事業者に発注して卸売を行う場合の2つのフローがあります。
他者からの受注があった際に仕入先へ商品を発注する際の基本的なフローは、以下のとおりです。
▼発注業務のフロー
フロー |
内容 |
1.見積もり |
商品を発注する場合の見積もりを仕入先に依頼する |
2.発注 |
注文書・発注書を作成して、仕入先に送付する |
3.検品 |
注文した商品が仕入先から納品されたら検品を行い、商品に不備があれば交換や返品を依頼する |
4.受領処理 |
納品された商品の数量や金額に間違いがなければ、受領書に捺印をして仕入先に送付する |
5.支払い |
仕入先から送付された請求書を確認して、間違いがなければ支払いを行う |
受注業務のフローについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
発注業務でよくある課題
電話やFAX、メールなどのアナログな方法で発注処理を行っている現場では、業務が煩雑化しやすくなります。よくある課題には、以下が挙げられます。
関連部門とスムーズに連携できない
発注業務のフローでは、発注処理を行う担当者と複数の関連部門との連携が必要になります。
▼発注の際に連携が必要になる部門
- 発注する原材料を必要としている製造部門
- 商品の受注状況を把握している営業部門
- 納品された商品の検品作業を行う倉庫部門 など
アナログな方法で発注データを管理・共有している場合、情報共有にタイムラグが発生しやすくなります。これにより、発注や請求処理の工程に時間を要したり、在庫切れのトラブルが発生したりするリスクがあります。
ヒューマンエラーが起こりやすい
電話・FAX・メールを用いて発注業務を行う場合、聞き間違いや転記ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすくなります。
発注する商品の種類や個数、在庫数などの情報が誤った状態のままフローが進行すると、重複発注・発注忘れ・誤納品などのトラブルにつながります。
業務負担が大きい
電話・FAX・メールで発注業務を行う場合、データの転記や帳票の作成、関連部門への連絡などに時間と労力がかかります。
複数の商品を取り扱っている場合は、商品の特性を踏まえて発注のタイミングや工程を確認する必要があるため、関連部門への問い合わせに労力がかかります。
また、仕入先ごとに異なる方法で発注している場合には、担当者の業務負担がかかるほか、対応が属人化してしまう可能性も考えられます。
在庫の余剰・不足が発生する
在庫の余剰・不足が発生しやすいことも課題の一つです。
アナログな方法で在庫管理を行う場合、発注時点での実在庫数をリアルタイムで把握することが難しくなります。
余分な発注によって売れ残りが発生したり、仕入先の納品が間に合わずに欠品が起きたりすると、コストの損失につながってしまいます。
発注業務のフローを改善するポイント
電話やFAX、メールによる発注でさまざまな課題が生じている現場では、発注業務のフローを見直す必要があります。改善のポイントには、次の3つが挙げられます。
1.適正在庫数を設定する
在庫の余剰・不足を防ぐために、適正在庫数を設定しておくことが重要です。
あらかじめ適正な在庫数を算出・設定しておくことで、必要な数量の発注を行えます。ただし、適正在庫数は商品の特性やその時々の需要、販売戦略などによって変化するため、過去の実績を基に設定することがポイントです。
▼適正在庫数を設定するポイント
- 過去の出荷データを基に一定期間の需要数を算出する
- 需要の変動や発注リードタイムの変化に対応できるように、予備の在庫数(安全在庫数)を加える
- 定番商品と季節商品、新商品は個別に需要予測を行う
「現在の在庫数が把握できていない」という場合には、Microsoft Excel(※)で使える在庫管理テンプレートをこちらからダウンロードしていただけます。ぜひご活用ください。
※Microsoft Excel は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
2.発注方式を見直す
在庫の余剰・不足が頻繁に発生している場合には、商品ごとの発注方式を見直すことも一つの方法です。
発注方式には、主に2つの種類があります。
▼発注方式の種類
発注方式 |
概要 |
定期発注方式 |
|
定量発注方式 |
|
季節によって需要が変動しやすい商品や流行の商品などは、定期発注方式が適しています。発注のタイミングで発注量をコントロールすることで、適正在庫数を維持しやすくなります。
一方、需要の変動が少なく、一定のサイクルで在庫が回転する商品については、定量発注方式が適していると考えられます。一度の発注量が決まっているため、在庫管理や仕入れにかかる労力を削減できます。
なお、発注点についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
発注点を計算して在庫を適正化! 算出方法や管理のポイントを解説
3.発注業務をデジタル化する
電話・FAX・メールを用いた発注による業務負担やヒューマンエラーを防ぐには、発注業務をデジタル化することがポイントです。
仕入先に送付する注文書や発注書を電子データにしたり、部門間で在庫データを共有したりする仕組みを整えることで、発注業務の効率化を図れます。
▼発注業務をデジタル化する方法
- 表計算ソフトで在庫管理表を作成して部門間で管理・共有する
- ペーパーレスFAXを導入して、パソコンで発注書や受領書のやり取りを行う
- 受発注システムを導入してオンラインでの受注・発注を行う
受発注システムを導入すると、仕入先ごとに異なる受発注のフローを一箇所に集約できるため、業務負担の軽減を図れます。取り扱う商品や仕入先が多岐にわたる場合にも、スムーズな受発注がしやすくなります。
発注業務のフローを改善する『TS-BASE 受発注』
煩雑化しやすい発注業務のフローを改善するには、適正在庫数の設定や発注方式の見直しを図るとともに、発注業務をデジタル化することが有効です。
『TS-BASE 受発注』は、オンラインで受発注を行えるBtoB取引向けのクラウド型システムです。受注データを基に各仕入先への発注データを自動で作成できるほか、複数社にワンクリックで商品を発注することが可能です。これにより、アナログな発注処理による業務課題の解決を図れます。
また、出荷実績や在庫状況から今後の需要予測データを自動作成できるため、需要が変動しやすい商品でも適正な量の発注を行うことが可能です。
TS-BASE 受発注の詳しい内容は、こちらの資料をご覧ください。