受注残とは? 重要性や管理のポイント、効果的なシステムを解説
受注業務をスムーズに行い生産性を高めるには、“受注残”の適切な管理が必要です。
しかし、「受注残の意味や重要性をよく理解できていない」「効果的な分析・管理の方法が分からない」とお悩みの担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
販売機会の損失を防ぐためにも、受注残についての理解を深めることが大切です。この記事では、受注残の意味や重要性、受注残管理のポイントなどを解説します。
「受注残とは何か知りたい」「受注残の管理ができていない」とお考えの方は、こちらの資料も併せてご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.受注残とは
- 2.受注残管理の目的と重要性
- 2.1.1.納品トラブルの回避
- 2.2.2.経営状況の把握
- 3.受注残を適切に管理するポイント
- 3.1.1.受注時点で在庫引当を実施する
- 3.2.2.入荷予定と出荷予定を正確に把握する
- 3.3.3.在庫管理や発注管理と連携する
- 4.適切な受注残管理には『受発注システム』の活用が有効
- 5.納品トラブル防止には受注残管理が重要
受注残とは
“受注残”とは、取引先から注文を受けた商品・サービスのうち、まだ納品や出荷ができていない商品のことです。バックログとも呼ばれ、売り上げに計上されておらず、在庫の状態となっている商品を指します。
▼受注残の例
取引先から商品5個を受注 |
受注後、一度にすべてを納品すれば受注高を売上高として計算できますが、受注残がある場合には納品した分だけが計上されます。その後、受注残を納品した時点で売上高に計上できます。
このように、受注してから出荷するまでの受注数を管理することを受注残管理といいます。
受注残管理の目的と重要性
受注残管理は受注管理における重要な業務の一つです。受注残管理を行う目的として、主に以下の2つが挙げられます。
1.納品トラブルの回避
受注したものの、倉庫に十分な在庫がなく、仕入れが必要になることがあります。この場合、受注から出荷までに時間的なズレが生じます。このズレによって納品が遅延することで、顧客や取引先とのトラブルにつながるおそれがあります。
▼納品トラブルの例
取引先Aから10個の受注がありました。現在の在庫数が7個しかないため、追加で3個を発注して出荷まで待機します。 そこに取引先Bから7個の受注が発生します。このとき、取引先Aに割り振る予定だった在庫7個を担当者が把握しておらず、取引先Bに先に7個を納品してしまいます。 取引先Bには問題なく7個を納品できましたが、取引先Aに納品予定だった数量が足りなくなってしまいました。 取引先Aに対する追加発注分の3個が届いたとしても、全部で10個必要になるため、7個が足りない状態です。足りなくなった7個を再発注する工数が発生するだけでなく、結果的に取引先Aへの納品が遅れてしまいます。 |
このように、受注残管理が正しく行われていないと、「納品予定日に間に合わない」「顧客を待たせてしまう」というトラブルにつながります。
トラブルを未然に防ぐためには、目に見える在庫数だけで判断せず、「受注残がいくつあるか」「追加で仕入れた商品がいつ納品されるか」といった受注残管理が重要です。
2.経営状況の把握
受注残は、その時点では売り上げに計上されていませんが、納品後には売上高に計上されます。
受注残を適切に管理・分析できれば、受注残の月次や年次の動きを把握し、経営状況を可視化できます。どのようなペースで受注・発注すればよいかが判断しやすくなり、受注フローの改善や将来の経営予測を立てるために役立ちます。
受注残を適切に管理するポイント
受注残を管理する際は、受注した時点から出荷されるまでのプロセスを適切に管理することが重要です。受注残管理のポイントとして、以下の3つが挙げられます。
1.受注時点で在庫引当を実施する
在庫引当とは、倉庫にある実在庫数から受注した商品数量を引いた在庫数、“注文可能在庫数(有効在庫数)”を把握するための手法です。
受注のプロセスでは、受注が確定したタイミングと実際に倉庫から出荷されるタイミングの間に時間差が生じることがあります。たとえば、納品日が未来日に設定されているケースが挙げられます。
在庫引当によって注文可能在庫数を把握していない場合は、別の担当者が在庫数を超えた受注を確定してしまう可能性があります。こうした時間差によるミスを防ぐために、受注時点で在庫引当を行っておくことがポイントです。複数の担当者がいる場合は、実在庫数や注文可能在庫数をリアルタイムに共有できる仕組みづくりが必要です。
2.入荷予定と出荷予定を正確に把握する
仕入れ先からまだ納品されていない商品を“発注残”といいます。受注残を管理するにあたっては、自社が発注した発注残の入荷予定を把握しておくことも重要です。
また、自社の出荷予定日の時点でいくつの注文可能在庫数があるかを事前に確認しておくことも欠かせません。たとえば、現時点での在庫数が0の場合でも、以下のような場合であれば翌日出荷の受注が可能です。
- 出荷が決定している在庫数が5個
- 仕入れ先からの翌日入荷が5個(注文可能在庫数)
入荷予定や出荷予定の在庫数を把握することは、売り上げ機会の損失リスクを回避するためにも重要です。
さらに、今後の入荷予定に対して、「どの受注案件の受注残に割り当てるか」といった出荷の優先順位を決めておくこともポイントです。受注数やスケジュール、取引先に応じて自動的に処理できる仕組みがあれば、ミスや出荷漏れを防止できます。
3.在庫管理や発注管理と連携する
受注残に対して適切な出荷・発注を行うためには、在庫管理や発注管理との連携が不可欠です。
一人の担当者が受注残を把握していても、別の担当者からの受注によって在庫数が変動することがあります。また、受注残に割り当てる商品数を下回って発注する可能性も考えられます。手作業で在庫を管理しているとなれば、社内の情報伝達が遅れるほか、処理のミスや漏れが起こることもあります。
在庫管理や発注管理とのスムーズな情報共有が必要です。各部署でシームレスかつリアルタイムに情報を共有できるツールの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
実際の在庫数が把握できていないという方は、こちらも参考にしていただけます。
適切な受注残管理には『受発注システム』の活用が有効
受注残管理では、実在庫数だけではなく、注文可能在庫数や将来の入荷予定・出荷予定を把握し、社内でリアルタイムに共有することが不可欠です。
手作業での管理で起こりやすい受注残や在庫数の情報共有ミス、それによって引き起こされるトラブルを防止するために、受発注システムの活用がおすすめです。
『TS-BASE 受発注』は、BtoB向けの受発注管理システムです。受注データをシステム内で一括管理し、受注残や入荷・出荷などの進捗状況をリアルタイムで把握できます。
TS-BASE 受発注の管理者向け管理システムでは、実在庫数・注文数・引当数・注文可能在庫数の数量を商品ごとに確認することが可能です。
さらに、商品ごとに在庫数以上の注文の許可・不許可を設定できます。受注残を発生させたくない商品は、システム上で制御をかけることができるため、トラブルを未然に防げます。手作業による受注残管理が煩雑化している場合は、TS-BASE 受発注の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
▼「TS-BASE 受発注」の詳しい情報についてはこちらをご覧ください。
納品トラブル防止には受注残管理が重要
受注残を適切に管理することで、「注文可能在庫数を把握できていなかった」「納期に間に合わなかった」などのトラブルを防げます。月次・年次の受注残を管理することにより、経営状況を可視化し、将来の経営予測を立てる際にも役立てられます。
受注残を適切に管理するには、注文可能在庫数や入荷予定の在庫数などのデータをリアルタイムで共有することが重要です。人手による管理に限界を感じている企業さまは、TS-BASE 受発注を活用してみてはいかがでしょうか。