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一元管理のメリット・注意点と成功させる3つのポイント

部門ごとに異なるシステムで管理している情報を探すのに時間がかかる、データの不整合が発生する、といった課題を抱えていませんか?一元管理を徹底すれば、情報の検索時間を削減し、ヒューマンエラーを防ぎ、部門間のコミュニケーションを活性化できます。この記事では、一元管理のメリット・注意点と、成功させるための3つのポイントを解説します。

一元管理とは

イメージ画像 出典:Shutterstock

一元管理とは、分散していたデータを一箇所に集約し、統一されたルールで管理する手法です。業務効率化やコスト削減、情報の正確性向上につながります。

企業活動では、顧客情報・在庫データ・売上実績など、さまざまなデータが日々発生します。これらを部門ごとに異なるシステムやエクセルファイルで管理していると、情報を探すのに時間がかかったり、データの不整合が生じたりするでしょう。一元管理を徹底すれば、必要な情報にすぐアクセスでき、部門間での情報共有もスムーズになります。

一元管理と一括管理の違い

一元管理と似た言葉に「一括管理」がありますが、両者には明確な違いがあります。

▼一元管理と一括管理の違い

一元管理

データを集約し、管理方法やルールも統一する

一括管理

複数のデータを一箇所にまとめること

たとえば、複数の部門の顧客情報を同じフォルダに保存しても、入力形式や更新ルールがバラバラであれば、それは一括管理にとどまります。一元管理では、入力項目・更新タイミング・アクセス権限などを統一し、誰もが同じ方法でデータを扱える状態を目指す上位概念になります。

一元管理の対象となる経営資源

一元管理の対象となるのは、企業活動を支える4つの経営資源です。

▼4つの経営資源

ヒト

従業員の勤怠データ・評価情報

モノ

商品の在庫データ・生産設備の稼働状況・仕入先情報

カネ

売上・仕入・経費などの会計データ

情報

顧客情報・営業活動の履歴・問い合わせ対応の記録

たとえば、「ヒト」のデータを一元管理すれば、適切な人材配置や育成計画の立案がスムーズになります。「モノ」のデータを一元管理すれば、リアルタイムで在庫状況を把握でき、欠品や過剰在庫を防げます。もちろん4つの経営資源それぞれでの一元管理だけではなく、「モノ」と「カネ」のように複数の経営資源を一元管理すれば、顧客情報と会計データの関係性などの分析をより容易に行うことができるでしょう。

一元管理で得られる4つのメリット

一元管理を徹底すると、さまざまなメリットが得られます。ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。

メリット1|業務時間の大幅な短縮

一元管理することで情報を探す時間や、複数のシステムにデータを入力する手間を削減できます。
部門ごとに異なるシステムで管理していると、必要な情報がどこにあるのかを探すだけで時間がかかるでしょう。また、同じデータを複数のシステムに重複して入力する手間も発生します。さらに、部署異動があった場合に、部署ごとに作業手順が異なると、一から覚えなおす必要があるため、同じ業務でも今までより時間がかかる可能性もあります。一元管理を徹底すれば、情報の保管場所が統一され、検索方法も明確になるため、探す時間を大幅に削減できます。さらに、データの入力作業も一度で済むため、業務時間の短縮につながります。

「モノ」と「情報」の一元管理の例として、受注業務と出荷業務を一元管理するメリットを以下の記事で紹介しています。

メリット2|情報の正確性向上とヒューマンエラー抑制

一元管理を徹底すれば、データの不整合や入力ミスを防ぎ、情報の正確性を高めることができます。
複数のシステムで同じデータを管理していると、更新のタイミングがずれて、どのデータが最新版なのかわからなくなった経験はありませんか?手作業でデータを転記する際に、入力ミスや転記ミスが発生した結果、それぞれのシステムに異なるデータが登録されていることも珍しくないでしょう。一元管理を徹底すれば、データの更新が一箇所で完結するため、常に最新の情報を参照でき、転記作業も不要になります。その結果、ヒューマンエラーを削減し、情報の正確性を保てます。

メリット3|データ処理の迅速化と意思決定のスピードアップ

一元管理を徹底すれば、必要なデータをすぐに取り出せるため、分析や意思決定のスピードが向上します。
経営判断や戦略立案には、複数の部門のデータを組み合わせたうえで、それらのデータを統一された基準で比較・分析する必要があります。
例えば、今年度の売上予測を立てようとするとき、

  • A事業部:基幹システム。今後3ヶ月の売上見込みまで登録されている
  • B事業部:エクセル。先月までの売上実績しか登録されていない
  • C事業部:顧客管理システム。今年度の売上見込みがすべて登録されている

このような状態では、正確に全社の売上予測を算出することができません。
このように、データの登録方法や保管場所が分散していると、各部門から情報を集めるだけで時間がかかるだけでなく、分析に着手するまでに遅れが生じたり、そもそも正確な分析ができなかったりします。しかし一元管理が徹底できていれば、必要なデータをすぐに取り出せるため、リアルタイムでの分析が可能になり、意思決定のスピードと精度が向上します。

メリット4|部門間のコミュニケーション活性化

一元管理が定着していると、部門を超えた情報共有がスムーズになり、コミュニケーションが活性化します。
部門ごとに異なる方法で各種情報を管理していると、他部門の情報にアクセスしにくく、連携が滞りがちです。一元管理を徹底すれば、全社で同じデータを参照できるため、部門間での情報共有が容易になります。たとえば、営業部門が顧客の問い合わせ履歴をすぐに確認できれば、より的確な提案が可能になるでしょう。ほかにも、商品開発部門が営業部門の売上データを参照できれば、市場ニーズに合った製品開発を進めることができます。このように、一元管理を実現し、統一ルールで一か所にデータを集約することで、実務担当者が自らデータを活用した検討・提案ができ、ビジネスを前に進める効果もあります。

一元管理導入前に知っておくべき3つの注意点

一元管理には多くのメリットがありますが、導入にあたっては注意すべき点もあります。ここでは、代表的な3つの注意点を紹介します。

注意点1|導入・運用コストの発生

一元管理を実現するには、システムの導入費用や運用コストがかかります。
一元管理には、データを集約するためのシステムやツールが必要です。既存のシステムを統合する場合は、データ移行やカスタマイズの費用が発生します。また、新たにシステムを導入する場合は、ライセンス費用・初期設定費用・保守運用費用などがかかります。さらに、従業員がシステムを使いこなせるようにするためのトレーニング費用も必要でしょう。導入前に、費用対効果を見極め、予算や人員を確保しておくことが必要です。

注意点2|業務フローの変更と定着までの期間

一元管理するには、既存の業務フローを見直す必要があるため、定着までに時間がかかります。
これまで部門ごとに独自の方法で管理していた業務を、全社統一のルールに変更するには、現場の理解と協力が欠かせません。特に、長年同じ方法で業務を進めてきた従業員にとっては、新しいルールに慣れるまでに時間がかかります。また、一元管理への移行期間中は、旧システムと新システムを並行して運用する必要があり、一時的に業務負荷が増える可能性もあります。導入前に、現場の声を聞き、段階的に移行するのがよいか、期日を決めて一斉に切り替えるかを判断したうえで、無理のない移行スケジュールを立てることが大切です。

業務フローは適切なステップで改善を進める必要があります。以下の記事では受発注業務を例に業務フローの改善について触れています。

注意点3|システム障害時の影響範囲拡大

一元管理すると、システム障害が発生した際の影響範囲が大きくなります。
データを一箇所に集約すると、そのシステムに障害が発生した場合、全社の業務が停止するリスクがあります。複数のシステムに分散している場合は、一部のシステムが停止しても他の業務は継続できますが、一元管理では影響が全体に及びます。このリスクを軽減するには、バックアップ体制の整備や、障害発生時の復旧手順の明確化が必要です。また、クラウドサービスを活用すれば、冗長性を確保しやすくなります。

一元管理を成功させる3つのポイント

一元管理を成功させるには、導入前の準備と、導入後の運用が重要です。ここでは、成功させるための3つのポイントを解説します。

ポイント1|目的と効果を社内で共有する

一元管理を成功させるには、導入の目的と期待される効果を社内で共有し、現場の理解を得ることが重要です。
一元管理には、日々データを登録する現場の協力が欠かせません。しかし、業務フローの変更や新しいシステムの操作に対して、現場から抵抗が生じることもあります。導入前に、なぜ一元管理が必要なのか、どのような効果が期待できるのかを丁寧に説明し、現場の理解を得ることが大切です。このとき、現場にとってのメリットもあわせて提示することで理解を得やすくなります。
また、導入後も、定期的に効果を測定し、成果を共有することで、現場のモチベーションを維持できます。

ポイント2|段階的に一元化の範囲を広げる

一元管理を成功させるには、段階的に導入範囲を広げることが効果的です。

最初から全てのデータを一元管理しようとすると、現場の負担が大きくなり、混乱が生じやすくなります。まずは、効果が見えやすい業務や、データ量が少ない業務から始め、成功体験を積み重ねることが重要です。たとえば、顧客情報の一元管理から始めて、次に在庫管理、その後に会計データと、段階的に範囲を広げていけば、現場も無理なく対応できます。

ポイント3|現場が使いやすいシステムを選ぶ

一元管理を成功させるには、現場が使いやすいシステムを選ぶことが重要です。
どれだけ高機能なシステムを導入しても、現場が使いこなせなければ、一元管理は定着しません。システムを選ぶ際は、現場の視点で評価することが大切です。

▼現場の視点の例

  • 操作が直感的でわかりやすいか
  • 業務に必要な機能がそろっているか
  • 既存のシステムと連携できるか
  • 導入後のサポート体制はどうか

とくに、導入後のサポート体制が充実しているかも重要なポイントです。トラブルが発生した際に、すぐに相談できる窓口があれば、現場の不安を軽減できます。

業務別一元管理の具体例3選

一元管理は、さまざまな業務で活用できます。ここでは、代表的な3つの業務での一元管理の具体例を紹介します。

[例1]在庫管理の一元化

複数の倉庫や拠点で別々に在庫を管理している場合、それぞれの在庫状況を個別に確認する必要があり、全体の在庫量を把握するのに時間がかかります。在庫管理を一元化すれば、全拠点の在庫データを一箇所で確認でき、どの拠点にどれだけの在庫があるのかをすぐに把握できます。また、在庫の移動や補充のタイミングも最適化でき、欠品による販売機会の損失や、過剰在庫による保管コストの増加を防げます。

[例2]顧客情報の一元化

顧客情報が部門ごとに分散していると、ある部門が把握している情報を他の部門が知らず、顧客に同じ質問を繰り返してしまうことがあります。顧客情報を一元化すれば、過去の問い合わせ履歴や購入履歴を全部門で共有でき、顧客に合わせた的確な対応が可能になります。また、マーケティング部門が営業部門の商談履歴を参照できれば、より効果的な販促施策を企画できます。

[例3]受発注業務の一元化

受発注業務では、注文を受けてから出荷・請求までの一連の流れで、さまざまなデータが発生します。これらを部門ごとに別々のシステムで管理していると、データの転記ミスや、情報の伝達遅れが発生しやすくなります。受発注業務を一元化すれば、注文データを一度入力するだけで、出荷指示・在庫引当・請求書発行まで自動で連携でき、業務時間を大幅に短縮できます。また、リアルタイムで受注状況を確認できるため、意思決定のスピードも向上します。

受発注業務と出荷業務を一元管理することによるメリットは以下の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ併せてご確認ください。

一元管理で業務効率化と情報の正確性を両立する

一元管理を徹底すれば、業務時間の短縮・情報の正確性向上・意思決定のスピードアップ・部門間のコミュニケーション活性化といった効果が得られます。
導入にあたっては、コストや業務フローの変更といった注意点もありますが、目的と効果を社内で共有し、段階的に範囲を広げ、現場が使いやすいシステムを選べば、成功の可能性を高められます。
一元管理は、企業の競争力を高めるための重要な手法です。自社の課題に合わせて、適切な範囲で一元管理を進めていきましょう。

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