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受注販売とは?通常販売・受注生産との違いと活用シーンを解説

受注販売とは、在庫を持たずに注文を受けてから商品を供給する販売方式です。在庫リスクを抑えながら必要数だけを動かせる点が最大の特徴です。

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在庫を抱えたくないが、欠品も避けることができないか?

BtoB取引の現場では、こうした在庫管理のジレンマを抱える担当者が少なくありません。受注販売はジレンマを解消する有力な手段ですが、受注生産との違いや、納期・リードタイム管理の難しさを正しく理解しておかないと、現場の混乱を招くこともあります。この記事では、受注販売の基本的な仕組みからメリット・デメリット、BtoB現場での具体的な活用シーンまでを整理します。

受注販売とは何か?基本的な意味と仕組み

受注販売とは、顧客から注文を受けた後に商品を手配・供給する販売方式です。あらかじめ在庫を用意して販売する「見込み販売」とは異なり、注文が確定してから仕入れや出荷の手続きを始めます。
受注販売方式が採用される背景には、商品の多様化や需要の不確実性があります。特定のキャンペーン商品や季節限定品、あるいは高額商材など、「売れ残りのリスクが予測しにくい商品」を扱う場合に有効です。受注販売では注文を起点に業務が動くため、販売者は在庫を持つコストや廃棄リスクを回避しながら、顧客のニーズに応じた商品を届けることができます。
BtoB取引においては、メーカーや卸売業者が取引先(小売店・代理店・社内拠点など)からの注文を受けてから製造・仕入れ・出荷を行うケースが典型です。注文数量が確定してから動くため、過剰在庫が生じにくく、資金効率の観点からも合理的な選択肢といえます。

BtoB取引(企業間取引)は一般消費者取引とは異なる商習慣があります。以下の記事でBtoB取引の基本的な流れについて解説しています。

通常販売(見込み販売)との違い

受注販売と対比されるのが、あらかじめ在庫を確保して販売する「見込み販売(通常販売)」です。両者の最大の違いは、在庫を持つタイミングにあります。

見込み販売では、需要を予測して事前に在庫を用意します。注文が入ればすぐに出荷できるため、納期が短く顧客の即時ニーズに応えやすい反面、需要予測が外れると過剰在庫や廃棄コスト・欠品が発生します。一方、受注販売は注文確定後に動くため在庫リスクはほぼゼロですが、受注から納品までにリードタイムが生じます。
どちらが優れているかではなく、扱う商品の特性・需要の安定性・取引先との関係性によって販売方式を使い分けることが重要です。需要が安定している定番商品は見込み販売、需要が読みにくいキャンペーン商品や新商品は受注販売、という組み合わせが一般的です。

▼見込み販売(通常販売)と受注販売の特徴

特徴

意味

デメリット

見込み販売

(通常販売)

需要を予測して事前に在庫を用意

単納期で発送ができる

過剰在庫や廃棄コスト・欠品が発生するリスクがある

受注販売

顧客から注文を受けた後に商品を手配・供給

在庫リスクがほぼゼロ

受注~納品までにリードタイムが発生する

受注販売と受注生産の違い

受注販売と受注生産は、どちらも「注文を受けてから動く」という点で共通しています。しかし、両者は異なる概念であり、混同すると業務設計や取引先との認識にズレが生じるので注意が必要です。

「販売」と「生産」で何が変わるか

受注販売と受注生産の違いは、注文を受けた後に何をするかという点にあります。

受注販売は「販売」の概念です。注文を受けた後、すでに製造済みの商品を仕入れて顧客に届けます。商品そのものの製造は行わず、流通・販売のプロセスが主体です。卸売業者や商社などが担う業務がこれにあたります。

受注生産は「生産」の概念です。注文を受けた後に製造を開始し、完成した製品を顧客に届けます。製造業のメーカーが担う業務であり、設計・材料調達・製造というプロセスが伴います。
整理すると、受注販売は「作らずに売る(仕入れて届ける)」、受注生産は「注文を受けてから作る」という違いです。同じ企業内でも、営業部門は受注販売の視点で動き、製造部門は受注生産の視点で動くことがあるため、社内でも混同が起きやすい概念です。

BtoB現場でよく混同される理由

BtoB取引の現場では、受注販売と受注生産が同じ文脈で語られることが少なくありません。その理由の一つは、両者が連動して機能するケースが多いからです。

たとえば、メーカーの営業部門が取引先から注文を受ける場面で考えてみましょう。営業部門の視点では「受注販売」として注文を受け付けますが、その注文を受けて製造部門が動く場合、製造部門の視点では「受注生産」になります。一連の流れの中に両方の概念が混在しているため、担当者によって使う言葉が変わり、社内での呼び方が統一されない場合があります。
また、社内では「予約注文」「事前受付」など独自の呼称が使われることもあります。呼び方が異なっていても、「注文を確定させてから動く」という本質は同じです。業務設計や取引先との合意形成においては、どの工程を指しているのかを明確にしたうえで言葉を使うことが大切です。

受注販売のメリットとデメリット

受注販売は在庫リスクを抑えられる一方、運用上の課題も存在します。導入前にメリットとデメリットの両面を正確に把握しておくことが、業務設計の失敗を防ぐうえで重要です。

受注販売のメリット:在庫リスク削減と廃棄コスト抑制

受注販売の最大のメリットは、過剰在庫と廃棄コストを抑えられる点です。
見込み販売では、需要予測に基づいて事前に在庫を確保します。予測が当たれば問題ありませんが、外れた場合は売れ残りが発生し、保管コストや廃棄コストが生じます。特に販促物や季節商品、新商品など需要が読みにくい商材では、これらのリスクが顕著です。
受注販売では、注文数量が確定してから仕入れ・手配を行うため、「売れ残り」は発生しません。必要な数だけを動かせるため、在庫品の余剰購入を防ぎ、キャッシュフローの改善にもつながります。また、商品の種類やバリエーションが多い場合でも、全種類の在庫を抱える必要がなく、商品ラインナップを広げやすいという利点もあります。

受注販売のデメリット:納期遅延とリードタイム管理の課題

受注販売のデメリットとして最も注意が必要なのが、注文から納品までのリードタイムです。
見込み販売は在庫があるため、即日〜数日で出荷できますが、受注販売では注文確定後に仕入れや製造の手配が始まるため、納品までに一定の時間がかかります。「思ったより届くのが遅い」といったトラブルに発展することもあります。
また、複数の取引先から同時に注文が入った場合、各注文のリードタイムを個別に管理する必要があります。注文ごとに回答期限・製造スケジュール・出荷予定を追いかける作業は、担当者の工数を圧迫しやすく、管理が属人化するリスクもあります。受注販売を運用する際は、リードタイムを取引先に事前に明示し、注文状況を一元的に把握できる仕組みを整えることが不可欠です。

属人化が発生する要因とその対策については以下の記事で詳しく記述しています。
合わせてご確認ください。

BtoB取引における受注販売の活用シーン

受注販売がBtoB取引で活用される場面は、「在庫を持たずに必要数だけを動かしたい」というニーズが高い業務です。特に新商品やそれに伴う販促物など、需要予測が難しい商材を扱う現場で効果を発揮します。

新商品や季節限定の販促物を展開する際、メーカーや卸売業者が各店舗・代理店からあらかじめ注文を受け付けてから手配に動く、という運用がその代表例です。社内では「予約注文」「事前受付」と呼ばれることもありますが、いずれも受注販売の一形態です。

この運用では、注文を受け付ける期間(回答期限)をあらかじめ設定し、期間内に集まった注文を集計してから仕入れ・手配に動きます。商品の必要数が確定してから対応するため、過剰在庫や廃棄コストが発生しません。一方で、注文から発送までにリードタイムが生じるため、受付開始から納品までのスケジュールを取引先に事前に明示しておくことが重要です。
また、担当者の手作業を大幅に削減する方法として、複数の配送先に対して数量を一括で入力できる仕組みや、回答漏れを防ぐリマインドメールの自動送信といった運用上の工夫を組み合わせることがあります。集約した注文データは仕入れ・手配の根拠として活用でき、通常の受注データと区別して管理することで、業務全体の見通しも改善します。

複数配送先へ一括注文できる機能の詳細についてはこちらをご覧ください。

受注販売の管理をデジタル化する3つのポイント

受注販売は「在庫を持たない」という点でシンプルに見えますが、実際の運用では注文の受け付け・集計・リードタイム管理・出荷対応など、複数のプロセスが絡み合います。これらを手作業やエクセルで管理しようとすると、担当者の工数が膨らみ、ミスや対応漏れが発生しやすくなります。ここからは受注販売の管理をデジタル化する際の3つのポイントを紹介します。

ポイント1:注文の受付と集計を一本化する

電話・FAX・メールなど複数の経路で注文を受けている場合、情報が分散して全体の状況を把握しにくくなります。Web上で注文を受け付ける仕組みを整えることで、注文データがリアルタイムに集約され、集計作業の手間を大幅に削減できます。

ポイント2:リードタイムと納期回答の可視化

受注販売では注文ごとに納期が異なるケースが多く、担当者が個別に管理していると見落としが起きやすくなります。注文状況をシステム上でリアルタイムに確認できる環境を整えることで、納期未回答者へのフォローや製造スケジュールの調整がスムーズになります。

ポイント3:集約した注文データをスムーズに連携

集約した注文データを製造・仕入れ部門や基幹システムへスムーズに連携できる仕組みも重要です。受注データの転記作業はミスの温床になりやすく、データ連携を自動化することで正確性と処理速度の両方を高められます。受注販売の運用規模が大きくなるほど、こうしたデジタル化の効果は顕著に現れます。

受注販売を正しく理解し、業務設計に活かすために

受注販売は、在庫リスクを抑えながら必要数だけを動かせる、BtoB取引に適した販売方式です。
デジタル化によって注文の受け付け・集計・連携までを一元化することで、受注販売の運用負荷を大きく下げられます。まずは自社の受注フローを棚卸しし、どの工程に課題があるかを確認することから始めてみてください。

TS-BASE 受発注で、受注販売の管理をシンプルに

TS-BASE 受発注」は、BtoB取引における受注販売の管理に強い受発注システムです。Web上での注文受け付け・集計・リードタイム管理・基幹システムへのデータ連携まで、受注販売に必要な一連のプロセスをまとめて対応できます。事前受付機能も備えているため、受注販売が含まれている業務でも柔軟に対応することができます。

▼事前受付機能

「TS-BASE 受発注」編集部
「TS-BASE 受発注」編集部
「TS-BASE 受発注」編集部は、「注文・受注・物流管理」の知見が豊富なメンバーで構成され、日々の業務に役立つ情報を発信するメディアです。BtoB受発注に関する情報発信に特化しており、企業が抱える課題解決のサポートができるよう、さまざまなコンテンツを配信しています。

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