
バックオフィスの効率化とは?課題と改善のポイントを解説
バックオフィスには経理・総務・人事・受発注など多岐にわたる業務が含まれます。なかでも受発注業務は、繁忙期と閑散期の波が大きく、アナログ運用のまま放置されやすい領域です。
本記事では、バックオフィス効率化の本質的な意味から、受発注業務を起点とした具体的な改善方法・成功事例まで解説します。具体的にイメージしたい方はぜひ参考にしてください。
バックオフィスとは?フロントオフィスとの違いを整理する
まずはバックオフィスとフロントオフィスのそれぞれの役割を整理した上で、企業の生産性を左右するバックオフィスについて確認していきましょう。
バックオフィスとは、顧客と直接接触しない社内業務全般を指します。経理・財務、総務・人事、情報システム、受発注管理、在庫・物流管理などが代表的な業務です。一方、フロントオフィスは営業・マーケティング・カスタマーサポートなど、顧客と直接関わる業務を指します。
フロントオフィスが顧客への価値提供を担う一方、バックオフィスはその活動を支える基盤です。バックオフィスが滞ると、受注処理の遅延・請求ミス・在庫の欠品といった問題が連鎖し、顧客満足度の低下にもつながります。
近年、バックオフィスが注目される背景には「人手不足」と「生産性向上」という2つの経営課題があります。労働力不足が深刻化する中、限られた人員で業務を回すには、仕組みそのものを変える必要があります。バックオフィスの効率化は、企業の持続的な成長を支える経営戦略でもあるのです。
製造業を例に人手不足対策をDXで解決した際に見込むことができる効果について以下の記事で解説しています。
バックオフィス業務が非効率になりやすい3つの理由
バックオフィスの特定の業務では「非効率」が発生しやすい傾向があります。なぜ非効率が生まれるのか、その構造的な原因を3つ整理します。
理由①属人化による引き継ぎ・ミスのリスク
バックオフィス業務は、長年の経験を持つ担当者が独自のやり方で処理を積み重ねた結果、「その人しか分からない」状態になりやすい領域です。業務フローがマニュアル化されておらず、担当者の頭の中にのみ存在する場合、異動・退職・休暇のたびに業務が止まる可能性があります。
さらに属人化は、ミスの温床にもなります。個人の判断や記憶に依存した運用では、確認漏れや処理の抜けが起きやすく、問題が発覚するまでに時間がかかることもあります。業務の標準化と仕組み化が、属人化リスクを根本から解消する手段です。
属人化が発生してしまう要因と、解決策については以下の記事で詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
理由②アナログな受発注管理が引き起こす連鎖的なロス
バックオフィス業務の一つ「受発注業務」も非効率が発生しやすい業務です。受発注業務をFAXや電話・メールで対応している企業では、注文内容の転記ミス・確認漏れ・対応の遅延が日常的に発生しがちです。特に繁忙期は注文量が急増するため、担当者の負荷が一時的に集中し、処理が追いつかなくなる事態にも陥ります。受発注業務の非効率は、それ単体の問題にとどまらず、在庫管理・物流・顧客対応へと連鎖的に影響を及ぼすことになります。
理由③複数ツール・システムの分散管理
受注管理はエクセル、在庫管理は別のシステム、出荷指示はメール、というように複数のツールを組み合わせて業務を行っている企業は少なくありません。このような分散管理の状態は、同じ情報を複数の場所に入力する二重作業が発生し、更新漏れや情報の不一致が起きやすくなります。
また、ツールをまたいで情報を確認する手間が増えることで、担当者の判断スピードも低下します。「在庫が足りているか確認してから注文を受ける」という単純な作業でも、複数の画面を行き来しなければならない状況では時間がかかってしまうのが実態です。
バックオフィス効率化で得られる3つのメリット
バックオフィスを効率化することで、人材の活用方法そのものを変えることができます。ここからはバックオフィスの効率化がもたらす3つのメリットを紹介します。
1.付加価値の高い業務へシフトできる
バックオフィスを効率化する最大のメリットは、コスト削減ではなく「人材の再配置」にあります。システムを導入することで定型業務が自動化できれば、担当者はより判断力や創造性が求められる業務に集中できます。これは、バックオフィス業務そのものの品質向上にもつながります。
2.繁忙期の業務負荷を平準化できる
季節や時期によって業務量が大きく変動する業務では、繁忙期に人員を集中させる必要が生じます。しかし、アナログ運用のまま人員を増やすことは固定費の増加につながり、閑散期には余剰人員が発生するというジレンマが生じます。システム化によって処理能力を底上げすることで、繁忙期の負荷を吸収しながら、人員配置を適正に保つことができます。
繁忙期の効率化については以下の記事でも詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
手作業による転記・確認・集計の工程をシステムに置き換えることで、ミスが発生する余地そのものを減らせます。エラーが減れば、後処理にかかるコストも削減でき、業務全体の品質が安定します。
バックオフィスの受発注業務を効率化する具体的な方法
バックオフィスの中でも、受発注業務は効率化の効果が出やすい領域です。具体的にどのような手順で効率化を進めるべきか、2つのアプローチを紹介します。
受発注業務をシステム化・一元管理する
まず取り組むべきは、受発注業務のシステム化です。FAX・電話・メールによる注文受付をWeb上の注文サイトに切り替えることで、注文データが自動的にシステムに蓄積され、転記作業や確認の手間が大幅に削減されます。
さらに「情報の一元管理」ができることで、注文・在庫・出荷の情報が1つのシステム上で連携され、担当者はリアルタイムで状況を把握できるようになります。関係者が自分自身で注文の進捗を確認できるようになるため、問い合わせ対応の工数も削減できます。
受発注業務のシステム化は、単なる「ツールの置き換え」ではありません。業務フローそのものを再設計し、人が介在しなければならない工程を最小化することが重要です。
在庫・倉庫管理をリアルタイムで可視化する
受発注業務の効率化と並行して取り組みたいのが、在庫・倉庫管理のリアルタイムの可視化です。在庫数が常にシステムに反映されていれば、注文を受けた時点で欠品リスクを即座に判断でき、出荷までのリードタイムを短縮できます。
在庫が一定水準を下回った際に自動でアラートが上がる「発注点管理」の仕組みも構築できます。「感覚的な発注」から「データに基づく発注」へと移行することで、過剰在庫・欠品の両方を防ぎ、在庫コストの最適化につながります。
受発注と在庫・倉庫管理が一体で動くシステム環境を整えることが、効率化の実効性を高める鍵となります。
発注点の算出方法は以下の記事で詳しく解説しています。
バックオフィス効率化を成功させるシステム選びのポイント
バックオフィスの効率化にシステムを活用する際、選定の基準を誤ると「導入したが使われない」「別の非効率が生まれた」という結果になりかねません。ここでは受発注業務に特化したシステムを選ぶ際の3つのポイントを整理します。
1.業務範囲のカバー力
受発注業務だけを管理できるシステムを導入しても、在庫・物流が別管理のままでは、情報の分散という根本課題は解決しません。注文から出荷までの一連の流れがシステムでどのように動くかを確認しましょう。
2.既存システムとの連携
基幹システムや会計システムとのデータ連携が可能であれば、二重入力の排除と情報の一元化が実現します。CSV出力・API連携・中間サーバーを介した連携など、自社の環境に合った方式に対応しているかを確認することが重要です。
3.導入・運用サポートの充実度
システムを導入しても、現場への定着が進まなければ効果は出ません。初期設定の支援から運用開始後のフォローまで、伴走型のサポート体制があるベンダーを選ぶことも重要なポイントです。
受発注のバックオフィス効率化に成功した企業事例
実際にバックオフィスの受発注業務を効率化した企業の事例を2つ紹介します。いずれも、アナログ運用からの脱却と業務の一元管理が改善の核心にありました。
事例1:5工程から3工程へ、1注文あたりの作業時間を約5割削減
ある企業では、サンプル・販促物の注文ごとに担当営業とのメール・口頭でのやり取りが発生し、在庫確認から発注の確定までに多くの工数がかかっていました。注文管理・在庫管理・入出庫管理がそれぞれ別のツールで管理されており、情報の二重入力や更新漏れも課題でした。
そこで受発注システムを導入し、作業工程を5工程から3工程に削減しました。1注文あたりの受注〜出荷作業時間が約40分から約20分前後に短縮され、注文時のやり取りはほぼゼロになり、在庫切れによる業務の滞りも解消されています。
バックオフィスとフロントオフィスでの受発注業務のシステム化で工数を大幅削減された事例は以下でご確認ください。
事例2:エクセル管理を脱却し、配送リードタイムを1週間から翌営業日出荷へ
医薬品製造業の企業では、管理・配送拠点の集約を機に、エクセルによる受発注管理の限界が顕在化しました。関係者が多く、情報の取りまとめに数日かかることもあり、ヒューマンエラーのリスクも高い状態でした。
受発注システム「TS-BASE 受発注」を導入したことで、エクセル作業の置き換えに成功。締め切り日運用で1週間以上かかっていた配送リードタイムが、翌営業日出荷が可能な水準まで短縮されました。発注点アラートの活用により在庫の最適化も実現し、注文後の欠品発覚もほぼなくなっています。
事例の詳細は以下の記事でご紹介しています。
バックオフィスの効率化は「受発注の仕組み」から着手する
バックオフィスの効率化は、業務の「仕組み」を変えることで初めて実現します。システムを導入する目的は、定型業務を自動化し、人材をより付加価値の高い仕事へシフトさせることにあります。受発注業務のシステム化は、その出発点として最も効果が出やすい領域です。
TS-BASE 受発注は、注文サイト・管理システム・倉庫システムの3システムをまとめて提供するサービスです。受発注から在庫管理・出荷までをワンストップで管理することができ、基幹システムとのデータ連携にも対応しています。導入から運用定着まで、専任担当者による伴走型サポートで支援します。
バックオフィス業務の中でも特に受発注業務の効率化にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。













