エクセル業務を「TS-BASE 受発注」でシステム化して得た効果

日本メジフィジックス株式会社
業界:医薬品製造業

業務内容:
放射性医薬品および関連製品の研究、開発、製造など

インタビュイー情報:
MR(医薬情報担当者)、受発注担当者

課題

・各工程で使用していたエクセル業務の改善。

・配送リードタイムの短縮と、お届け通知の実施。

・リアルタイム在庫を反映した受発注環境の構築。

施策

・TS-BASE 受発注の3システムの導入。
  (注文サイト、管理システム、倉庫システム)

・システムの導入に伴う、業務フローの変更。

結果

・エクセル作業の置き換えに成功。

・配送リードタイムの短縮に成功。

・正確なお届け予定日の通知が可能に。

・発注点アラートの活用で在庫の最適化に成功。

社内受発注業務の効率化が課題


 エクセルシートを利用した受発注・在庫管理業務は、今でも多くの企業で行われている。エクセルは素晴らしいツールである反面、効果を得る条件として「人の手作業が入る」ことが必須だ。そのため、入力ミスや誤操作などのトラブルが発生するリスクも大きい。日本メジフィジックス株式会社でも、そんなエクセル業務に課題を抱えていた。

医薬情報担当者(以下、MR)が、医療関係者へ提供する販促物などの受発注依頼に専用のエクセルシートを使用していたが、管理・配送拠点の集約をきっかけに業務を見直すことになった。その前向きな一歩が「エクセル業務工程の削減」と「配送リードタイムの大幅削減」へとつながったのだ。

エクセルシートへの入力作業は、手間と不安を生む

 同社は、放射性医薬品分野のリーディングカンパニーとして、各地域の核医学診療を独自の技術力で支えている企業だ。全国各地の支店に所属する、100名以上のMRが営業窓口となり、医師や診療放射線技師などへ、きめ細かな対応を行っている。

その営業活動を支えるのが、兵庫県三田市にある兵庫事業所の業務サポートグループ(以下、サポートグループ)だ。ここに、各支店で行っていた業務を集約して、営業活動に必要な備品の受発注管理・配送を一元的に対応していくことになった。

業務集約後の全国各地から発生する受注処理は、想定以上に多事多端で過酷なスケジュールだった。まず、課題に挙げられたのは、各工程で使用されていた「エクセルシート」だった。


イメージ画像 出典:Shutterstock


当時の業務フローはこうだった。
  1. MRが、注文用エクセルシートへ注文内容や配送先を入力。
    週2回の締め切り日までに、支店事務担当者へ送付。
  2. 各支店事務担当者が、エリア内全発注情報をエクセルに取りまとめる。
    完成した全発注情報は、期日までにサポートグループへメールを送付。
  3. サポートグループは、取り決め日時に締め切る。出荷準備用データを加工する。
そして、出荷準備をスタートするという流れだった。

次の担当者が作業をしやすいように設計されており、配慮が行き届いた業務フローだと思われた。しかし、関わる人間も多く、ヒューマンエラーの危険性が否めない。そして、各工程の作業時間が積み重なると、情報の取りまとめだけでも数日間を要してしまっていた。

加えて、出荷にも課題があった。実際の在庫数が把握されていない状況で注文が入るので、在庫切れなどが発生して、スムーズな出荷に困難をきたすケースも生じていた。また、資材の追加発注を行うタイミングも感覚的であったため、適正な在庫状態を維持することも課題になっていた。

「リアルタイムの在庫数を知った上で注文をしてほしかったが、それをエクセルの運用を工夫して…とは思わなかった。業務集約後、かなり早い段階で“これは全工程の業務改善が必要!” と切に感じました」担当者は、当時を振り返ってこう話した。

注文から在庫管理の一気通貫化は「TS-BASE 受発注」の強み

 同社は、課題解決に直結するシステムを探したが、広範囲を網羅できるシステムは「TS-BASE 受発注」のみだったと話す。「受発注・倉庫の在庫管理・配送を一気通貫で効率化する」という目的と「TS-BASE 受発注」は、唯一無二のフィット感があった。それが、導入の大きな決め手になった。

TS-BASE 受発注の導入後、同社の業務は大きく変化した。まず、課題だったエクセル業務はシステム化され、各支店のエクセル作業の全てが削減された。先述した業務フローの全エクセル作業が「TS-BASE 受発注」に置き換えられた形だ。

以前サポートグループがメールで受信していた注文情報は、発注された瞬間にTS-BASE 受発注内に反映されるようになった。そして、システム内で締め時間を指定しておけば、自動で当日扱いと翌日扱いを切り分けてくれる。


イメージ画像 出典:Shutterstock


 当日出荷分のデータは、サポートグループから、併設の自社倉庫担当者へ渡される。以前は、サポートグループが加工したエクセルシートをプリントアウトして手渡しをしていたが、TS-BASE 受発注導入後は、システム内で当日出荷分がリスト化できる。数クリックの作業で、倉庫担当者へ渡す出荷依頼情報のプリントアウトができるようになった。

倉庫担当者からの作業効率化への評価も高い。TS-BASE 受発注は、倉庫でのピッキング作業へも有用で、倉庫内の作業導線を考慮した指示書は一連動作の流れをスムーズにした。そして、在庫の適正化も実現された。以前は目視頼りだった追加発注は、発注点を下回ると通知がされるので、常に健全な在庫状態をキープできているという。そして、リアルタイム在庫数は、倉庫管理システムを通して管理され、関係者は常に確認できるようになった。

TS-BASE 受発注の導入で、医療関係者への確実なご案内が可能に

  全国のMRにとっても、TS-BASE 受発注の導入で得たメリットは大きかった。最も効果を実感したのは「配送リードタイムの短縮」だ。

先述の通り、以前の業務フローでは、締め切り日が設定されていたので、発注のタイミングによって、医療関係者の手元への到着が1週間以上かかるケースもあったという。併せて、発送日も不明瞭だったこともあり、医療関係者への到着日のご案内も曖昧なものになっていた。

現在は、全MRが「TS-BASE 受発注の注文サイト」を使用して、営業活動に必要な備品の発注を行っている。通販サイトのような仕組みの注文サイトでは、注文時に配送希望日時の指定ができる。リアルタイム在庫数と発注可能在庫数が連携されているため、注文後の欠品発覚もほぼなくなった。

そして、MRが行っていたエクセル作業も全て削減された。以前は、発注用エクセルを使用して、ひとつひとつ入力作業を行っていた。配送品に相違が起きないよう、現物を見て確認をしながら慎重に進めていた手間のかかる作業だった。しかし、現在は注文サイト画面上の製品名や写真を見てクリックするシンプルな動作へ置き換えられた。



注釈:「TS-BASE 受発注 注文サイト」画面。向かって左側…注文画面。リアルタイム在庫数との連携・表示で、スムーズな受発注業務が可能に。向かって右側…注文履歴照会で、各注文の処理状況が一覧確認できる。同内容の注文は、履歴をワンクリックすることで簡単に行うことが可能だ。


 エクセル業務の削減は「締め切り日」という概念を無くし、迅速な出荷体制を実現させた。TS-BASE 受発注は全データが自動連携されている。注文情報も即時サポートグループへ連携され、翌営業日には出荷手配が可能になった。その要因で、1週間近くかかっていた配送リードタイムの大幅短縮が実現できた。

例えば、東北地方への配送は「最短 中2日」でMRの手元に荷物が到着する。発注時間もタイミングも自由になった。「なにより、医療関係者のご要望に沿ったお届けができるようになったことは大きい」と、MRは話す。

小さな変化の積み重ねが、サービスの質の向上や信頼へとつながっていく。同社の医療関係者へ貢献しようという前向きな意欲が、TS-BASE 受発注との出会いと、その効果によるメリットを引き出した。そして、チーム医療の一翼を担うMRが、医療関係者や働く仲間を思う気持ちから、使い方へのアイデアも多数湧いているという。TS-BASE 受発注も、同社のチームワークと実現したい未来に寄り沿い、シナジーを生む存在でありたいと思う。

企業紹介
日本メジフィジックス株式会社

事業内容

業界:医薬品製造業
企業規模:従業員数818名(2022年3月末日現在)

日本における放射性医薬品のリーディングカンパニーとして、製品の安定供給と研究開発に日々取り組んでいます。さらに、これまでに培った技術力と信頼をベースに、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供する新しい医療技術「セラノスティクス(治療と診断の融合)」の研究開発や、ライセンス供与などを通じたアジア諸国での核医学の普及に取り組んでいます。そして、これからも生命関連企業としての価値創造を継続し、社会に貢献してまいります。

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