Web-EDIとは? メリットや導入時の注意点について解説
企業間の受発注取引を効率化できるとされているWeb-EDIは、新しい取引手法として活用が期待されています。
電話やFAXなどによる受発注のやり取りが煩雑化している企業さまは、Web-EDIについての知識を深めたうえで導入を検討してみてはいかがでしょうか。この記事では、Web-EDIの基礎知識や導入メリット、注意点などを解説します。
目次[非表示]
- 1.Web-EDIとは
- 1.1.クラウドを活用したブラウザベースの通信
- 1.2.ブラウザ通信による商取引の自動化
- 2.Web-EDI導入による4つのメリット
- 2.1.1.受発注業務の効率化
- 2.2.2.ペーパーレス化の実現
- 2.3.3.高速なネットワーク通信
- 2.4.4.セキュアな通信環境
- 3.Web-EDI導入時の注意点
- 4.Web-EDIを活用し、受発注業務を効率化
Web-EDIとは
Web-EDIとは、受発注業務などの企業間の商取引業務をブラウザ上で行うシステムです。従来のEDIに代わる新しい取引手法として登場しました。
※IP網への移行工程・スケジュール
以前から使用されているJCA手順のEDIでは、電話回線を利用したISDN回線が用いられていました。しかし、ISDN回線は2024年にサービスが終了する予定となっているため、現在Web-EDIへの移行が求められています。
出典:総務省『電気通信政策の推進|固定電話網の円滑な移行』
Web-EDIには、クラウド活用とブラウザ通信という2つの特徴があります。
クラウドを活用したブラウザベースの通信
Web-EDIは、インターネット上にシステムを構築してブラウザ上で利用します。クラウドサービスを活用することで、端末の仕様にかかわらず、インターネット環境があれば利用できる点が特徴です。
また、システム運用はクラウドの提供元が行うため、従来のEDIに必要であった専用ソフトウェアのインストールやアップデートも必要ありません。
ブラウザ通信による商取引の自動化
Web-EDIの活用により、電話やFAX、紙媒体での受発注業務を自動化できるようになります。受発注業務のやり取りをブラウザ上で完結できるため、煩わしい電話やFAXでのやり取りを削減できます。
Web-EDI導入による4つのメリット
Web-EDIの導入によってどのようなことが期待できるのか、企業が得られる4つのメリットを紹介します。
1.受発注業務の効率化
Web-EDIを導入すると、電話やFAXによる企業間での確認作業や書類への押印が不要になるため、受発注の処理、見積書のやり取りなどの業務を効率化できます。
受注から出荷までのリードタイムの短縮、担当者の負担軽減に貢献します。
2.ペーパーレス化の実現
見積書や納品書などを電子化し、ペーパーレス化を実現できます。社内で帳票を保管する必要がなくなるため、仕分けやファイリングの作業も不要です。ペーパーレス化により、工数削減や紙・郵送コストの削減が期待できます。
また、受発注に関わるデータをシステム上で管理することで書類の紛失を防ぎ、検索性を向上できる点もメリットの一つです。
3.高速なネットワーク通信
Web-EDIは最新の通信環境を利用できるため、電話回線を利用した従来のEDIに比べて通信速度が高速です。
スピーディなデータ処理やファイル送信によって処理にかかる時間を削減。従来のEDIではできなかった漢字や画像のデータもできるため、入力によるミスも防げます。受発注業務のやり取りの高速化と効率化を実現できるのは企業間取引において大きなメリットといえます。
4.セキュアな通信環境
Web-EDIでは暗号化技術によるインターネット回線を利用できるため、セキュリティの安全性が高いこともメリットの一つです。
通信時のウイルス感染や情報漏洩などのリスクを抑え、企業の大切な情報資産を守ることができます。
Web-EDI導入時の注意点
Web-EDIの導入時に注意しなければならないのが、ネットワーク通信規格である通信プロトコルです。自社と取引先とで導入するWeb-EDIの通信プロトコルが異なると、企業間で商取引ができなくなってしまいます。
Web-EDIのシステム構築には通信プロトコルの選定が必要ですが、現段階ではまだ標準化されていません。カスタマイズ性が高く、企業独自のシステム構築が行われていることから、複数のプロトコルが存在し、取引が煩雑化しているといった課題もあります。
▼Web-EDIの主な通信プロトコル
プロトコル |
概要 |
EDIINT AS2 |
インターネット技術の標準化団体 IETFが策定した国際標準規格のプロトコル |
OFTP2 |
欧州自動車標準化団体のOdetteが制定した通信プロトコル |
JX手順 |
日本独自の規格となる通信プロトコル |
SFTP |
インターネット技術の標準化団体IETFにより制定された通信プロトコル |
ebXML MS |
国際的なWebサービス標準化組織OASISと国連のEDI標準機関UN/CEFACTが策定した国際標準規格 |
Web-EDIの導入時は、取引先のプロトコルを確認するとともに、複数の通信プロトコルに対応しているサービスを選ぶことが重要です。
▼通信プロトコルの選び方については、以下の記事も参考にしてください。
Web-EDIを活用し、受発注業務を効率化
Web-EDIは、受発注をはじめとする商取引業務を効率化できるシステムです。これまで電話やFAXで行っていた企業間のやり取りを自動化し、受発注業務の効率化やペーパーレス化の実現を実現します。
なお、現段階でWeb-EDIのプロトコルは標準化されていないため、企業によって仕様が異なるケースがあります。企業間でスムーズな商取引を実現するためには、Web-EDIの導入時に取引先の通信プロトコルを確認すること、複数のプロトコルに対応したシステムを選定することが重要です。
『TS-BASE 受発注』は、受発注業務を一元管理できるSaaS型のシステムです。データの連携や業務内容に合わせた機能カスタマイズなど、柔軟な開発に対応しています。
受発注から配送までの業務に関するさまざまな業務をオンライン上で一元管理できます。「煩雑化する受発注のやり取りをなんとかしたい」とお悩みのしている企業は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。