
サンプル受注業務を効率化して「攻めの時間」をつくる方法
なぜ印刷会社が受発注業務の効率化を提案するのか?という背景には、過去数十年にわたり行ってきた「在庫管理」の創意工夫が隠されています。 TS-BASE 受発注を提供する「竹田印刷株式会社」は、 2024年に創業 100周年を迎えた企業です( 2022年にホールディングス化)。創業から提供する「印刷業」は、企業のカタログやパンフレットなどの商業印刷を主に取り扱い、数万単位で発注いただく印刷物と同時に、在庫管理のご依頼も受けてきました。古くから倉庫運営を行い、お客さまからの発送依頼へ対応を行う中の、さまざまな苦難を乗り越えて得た知見が、「 TS-BASE 受発注」や、竹田印刷が提供する物流 BPOサービスへ生かされています。
今回は 2025年 9月 17日に開催した、株式会社ウキヨさまとの共同セミナー「 “サンプルだけで終わらせない “販売改革!受注業務の省力化と LTVを最大化する営業手法とは」にて、弊社マーケティングデザイン課 越田有咲がご紹介をした、「ムダな手間を削減し、売上チャンスを最大化!受注業務を効率化して ”攻めの時間 “をつくる方法」を通して、販促物などを長年取り扱う竹田印刷が培ったナレッジの一部をご紹介いたします。
目次[非表示]
サンプル・販促物の受注プロセスとその課題
事業推進のために必要なサンプル・販促物などを3区分にしてみました。

①店舗販促物
小売店販売用のカタログやポップなどが該当します。 
営業が担当エリアの店舗へ必要な販促物を届けるよう、物流部門・外部委託倉庫へ依頼を行っている。
② BtoB向けサンプル
企業がサービスを提供するために必要な材料や備品の見本などが該当します。 
例えば、壁面や床材をカットした「建材サンプル」は、施主・ゼネコン・下請け業者へサンプルを届けることで、カタログでは伝えきれない質感を感じてもらうツールとして活用されています。商材によっては多品種の場合や、カットなどの加工が必要になるモノもあり、保管・発送業務へ工夫が必要になるケースもあります。
③ BtoC向けサンプル
Web広告などの各種媒体を通じ、一般ユーザーからのサンプル発送希望を募るサンプルが該当します。 
化粧品や健康食品など、購入や契約前にお試しができる無料サンプルは、昨今多くの企業で取り入れられています。

この3つの中で、最も複雑で営業担当者の工数が膨らんでしまうのが、「② BtoB向けサンプル」です。複雑になる要因として、以下 4つが挙げられます。 
①注文者(お客さま)からの注文方法がメール・電話・ FAXなど多様な対応が必要。 
②あるはずの商品がない…など、在庫確認に時間がかかる。 
③煩雑な出荷指示作業の負担(エクセルシートへの転記作業でのミスなど)。 
④業務の属人化(特定担当者のみに情報が集約され、ブラックボックス化してしまう)。 
サンプルは未来の顧客との接点づくりとして大切ですが、本来注力すべきは「商談をして成約を獲得する」というビジネスの根幹部分です。ここに集中する「攻めの時間」こそが、営業担当者が本来担う「売上を拡大する」という役割を果たすために必要になります。この時間を創出するためにも、ムダを削減した円滑な運用方法を知ることは大切です。
「攻めの時間」を創る受発注システムについて
攻めの時間を創るためには、「システムの力を活用する」ことがカギになります。
前項でご説明した、「複雑になる 4つの要因」を引用し、その理由を説明します。

◆①注文者(お客さま)からの注文方法がメール・電話・ FAXなど多様な対応が必要。
バラバラで非効率な注文方法を統一することで、受注する営業担当者の負担が大きく軽減されます。統一化の方法として、「 Web注文」は、受注業務の工数削減や情報共有などさまざまな観点から有効な方法だといえます。 
◆②あるはずの商品がない…など、在庫確認に時間がかかる。
在庫情報も Web上で見える化することで、ムダな確認作業時間の削減が見込めます。システム上で全商品の在庫数を確認できる環境を作り、その情報を Web注文の仕組みに連動させることで、注文者は在庫数に応じた注文を行うようになります。また、在庫数の見える化は、在庫切れ対策にも有効です。適正なタイミングで商品の追加発注を行うことができ、蓄積されたデータは販売戦略の立案や商品開発の参考情報として活用ができるでしょう。

◆③煩雑な出荷指示作業の負担(エクセルシートへの転記作業など)。
メールや FAXなど複数の方法で受注をしていると、発生した見間違いや誤入力が誤出荷へとつながるケースが生じます。しかし、先述した Web注文を導入して注文情報をデータ化すると、同データを出荷完了まで活用することが可能になるため、リスクだった受注作業工数やミスの削減への対策として有効です。 
◆④業務の属人化(特定担当者のみに情報が集約され、ブラックボックス化してしまう)。
システムを導入すると、作業手順が確立されます。特定人物しか分からない作業や情報という業務の弊害はなくなり、誰でも情報の観覧や作業が可能になります。システム化は業務の標準化を目指す第一歩になるのです。
TS-BASE 受発注のご紹介
さまざまなシステムが販売されている昨今ですが、「 Webで注文を受けるシステム」「在庫管理を効率化するシステム」を導入したからといって、注文~出荷までの一連業務の効率化が実現するとは限りません。特定分野に特化したシステムは、その分野でしか効果を発揮することができないので、後工程へつなぐ仕組みが必要になります。この「つなぐ場面」で、暗礁に乗り上げるケースは多く発生しています。 
冒頭でご説明した通り、 TS-BASE 受発注をご提供する竹田印刷株式会社は、お客さまからの印刷物の発送依頼(注文)を受けて倉庫から出荷する一連の業務を経験する中で、「注文~出荷は大きな一つの流れ。この中に弊害があってはならない」という学びを得てきました。 TS-BASE 受発注は、それらの経験を生かし、業務の流れを意識して作られた各工程をワンストップでつなぐシステムなのです。

仕入れ先への発注を含めた広範囲をカバーできるシステムは、 TS-BASE 受発注の大きな強みであり、各企業が求める導入効果の実現性を高める仕組みの候補だと言えます。例えば、ある建材メーカーさまのサンプル品の場合、営業担当者が受注用紙で受けた注文を倉庫へ発送依頼をしていたため、受注処理のミスが誤出荷につながり、工数も増していくという悪循環が発生していました。

TS-BASE 受発注導入後は、お客さまからの注文は TS-BASE 受発注の注文サイトを活用した Web注文になり、営業担当者が間に入ることなく注文情報が倉庫へ伝達されるようになったため、営業は顧客へアプローチを行う「攻めの時間」を獲得しました。倉庫の出荷担当者は TS-BASE 受発注の倉庫管理システムを観覧して各種帳票を発行することで出荷作業を進めることができます。 
そして、ポジティブな変化が 2つありました。まず、 Web注文の導入によってお客さまの間口が広がり、ホームページなどへ設置したフォームから、新規ユーザーのサンプル請求が増加した点です。そして、データが活用できるようになった点も大きな変化でした。以前は情報集計まで手が回らない状況でしたが、 TS-BASE 受発注導入後は、さまざまな情報が自動的に集計されるようになります。サンプル請求数が増加したことも重なり、より広範囲で活用できる良質な情報を取得できるようになったため、さまざまな販売促進活動へ役立てられているとのことです。
受発注と在庫管理システムが一体化した「TS-BASE 受発注」
注文から出荷までの流れを効率化できるシステムを導入して、ムダな手間を削減し、売上アップのチャンスを最大限に生かせる体制づくりを推進しましょう! 
攻めの時間があれば、 TS-BASE 受発注で収集できる各種データ、 
受注情報:受注日時・受注商品・受注数量・注文者情報・送付先情報。 
注文者情報:会社名・住所・所属部署・担当者名・電話番号・メールアドレスなど 
を活用した、さまざまな施策へチャレンジして LTVの最大化を目指せます。では、実際にどのような考えのもと、データ活用や施策を実行していけばよいのでしょうか。そのヒントは、株式会社ウキヨさまが提案する「サンプル受注から“本受注”まで。顧客目線に立って考える“顧客獲得”に必要なこと」というセミナーから得ることができるでしょう。ぜひ、自社の環境へ落とし込みを行い、新たな一歩の参考にご活用いただければと思います。
セミナー概要
イベント名: “サンプルだけで終わらせない “販売改革 受注業務の省力化と LTVを最大化する営業手法とは 
開催日時: 9月 17日 13時 00分~ 14時 00分 
会場: Zoomによるオンライン配信 
定員: 50名 
販促物・サンプルを扱うご担当者にとって、受注業務と販促活動の両立は大きな課題ではないでしょうか。 
本セミナーでは、販促物・サンプルを「ただ配るもの」ではなく“お客さまの購入につながる大事なきっかけ”と捉え、受注業務の効率化と、そこで生まれた時間を売上につなげる実践的な方法を具体例とともにご紹介します。 
▽こんな方におすすめ
- 受注業務の効率化に関心のある方
 - 販促効果や売上を伸ばしたい方
 - 受注データを活用した新たな施策や運用に興味のある方
 
登壇者情報(敬称略)

株式会社ウキヨ 代表取締役 吉岡大輝
株式会社サイバーエージェントへ新卒入社。
ウキヨ創業後、事業開発支援を軸にWebソリューションやDX支援を実施。現在は複数の自治体で「DXパートナー」として活動しながら、BtoB領域でのEC導入・活用に注力。事業開発やDX等 事業目標や課題に対して複合的にサポートしている。

竹田印刷株式会社 セールス1部 マーケティングデザイン課 越田有咲
2018年に竹田印刷株式会社へ入社。システム企画職として、システムやWebを活用した提案で解決に導くなど、お客さまに向き合い幅広い業界への知見を積む。その後、社内で開発が進められていた「TS-BASE 受発注」の企画提案にも参画し、現在はその経験を生かして自社製品のマーケティングを担当。












