倉庫と受発注業務のデータ連携で約7割の業務効率化を実感

金子特殊印刷株式会社
業界:印刷業、印刷関連サービス業

インタビュイー情報:

代表取締役社長 金子大助さま

課題

・部署間の確認作業の削減

・アナログ作業によるミスへの対策

・注文から物流までのデータ連携ができるシステムにしたい

施策

・受注管理システムをTS-BASE 受発注へリプレイス

・TS-BASE 受発注と販売管理システムのデータ連携

結果

・手入力作業が大幅に削減

・倉庫内業務の効率化に成功

・受発注と倉庫のデータをシステムで自動連携

・CSVの活用でミスなく販売管理システムと連携

金子特殊印刷株式会社は、受発注業務と倉庫業務に使用していたシステムを「TS-BASE 受発注」へリプレイスをしてデータ連携による業務効率化を達成した。同社が以前使用していたシステムは、それぞれの業務で分断されており、システム間の連携は全て人間の手作業によって行われていた。自社倉庫でも、各システムへデータを入力する手作業や、在庫数を中心とした他部署からの問い合わせ対応に対して課題をいだいていた。リプレイス後はどのようになったのか。倉庫業務を中心に、同社代表取締役社長 金子大助さまへ伺った。

多様な印刷物の提供をしている金子特殊印刷株式会社

注釈:金子特殊印刷株式会社、提供プロダクト


昭和28年設立の金子特殊印刷株式会社(以下、金子印刷)は、主力の複写伝票を中心に大手企業の下請けとして歩みをスタートし、時代の変化とともに事業の多角化を進めてきた。現在は直販を中心に、複写伝票のほか、名刺・封筒・カタログ・ノベルティなど、幅広い印刷物の提供を行っている。

同社は、埼玉県三郷市に自社倉庫を構えており、受注生産分の在庫保管や発送作業への対応を行っている。顧客の多様なニーズに応えるために年々多くなる商品数は、喜びと課題が同時に発生する要因となっていた。

手作業による連携操作が課題を生んでいた

イメージ画像 出典:Shutterstock


同社では、10年以上前に販売管理システム(以下、販管システム)と、受発注管理システムを導入。各システムは、営業・受発注・倉庫の各担当者が活用し、受注から出荷までの運用を行っていた。

埼玉県三郷市の倉庫は、お客さまから受注した商品の在庫管理や出荷作業を担っている。扱う商品は、予め受注をした生産済の商品を在庫している「在庫品」と、注文ごとに生産を行う「受注生産品」に分かれており、倉庫に到着した商品の入庫対応・出荷作業など、物流業務全般の対応をしている。

倉庫担当者は、営業・受注担当者とのメールや電話でのやり取りが頻繁に発生していた。その原因の一つは、システム間のデータ連携がされていなかった点が挙げられる。各担当者が扱う情報は、手入力工程を経てシステム間の連携が行われており、ミスによる数字のズレや情報鮮度の部分で確認作業が発生していた。

「システム間をつなぐ役割が“アナログ作業”だったので、手間も時間もかかるしミスの危険性も高いので、その点が課題でした。データ連携は、リプレイスの大きな目的の一つでした。実現できれば、全社的な業務効率化ができますし、各種分析なども効率的にできる可能性も高まると思っていました」(金子さん)。

システムのリプレイスは、情報収集や商談などに数年をかけ、自社に合う納得できるシステムを探していったという。その中で「TS-BASE 受発注」を知り、まずは倉庫と受発注部分の連携を図る決断にいたったのだ。

リプレイスで担当者間の連携もスムーズに

TS-BASE 受発注導入前の同社倉庫では、「発注書・納品書・ピッキングリスト・送り状作成」など、物流業務を行う上で重要となる情報は、それぞれ独立したツールを使っていた。連携は、倉庫担当者の手作業で行われていたため、発生原因が特定できない数量の差異や、対応漏れなどのヒューマンエラーが発生していた。

導入後は、注文発生時からシステム内でデータの自動連携がされるようになった。「ピッキングリスト・送り状作成」はTS-BASE 受発注内で完結できるようになり、各注文へ自動で紐づけされる。また、TS-BASE 受発注内から必要情報をCSVで出力し、販管システムへ取り込むことで、発注書や納品書などの帳票作成も容易になったという。多くの手入力作業が削減されたため、ミスや確認作業の工数が激減し、体感で約7割の業務効率化効果を実感しているという。

また、データ連携の恩恵は「在庫数」の面にもあった。以前は、入庫時に手入力した在庫数をもとに、受発注・倉庫の各担当者がそれぞれのシステムに手入力をして情報の更新を行っていた。その原因か、実在庫とシステムの数量に差異が発生してしまい、確認作業が発生してしまう現象が度々起きていた。
イメージ画像 出典:Shutterstock


導入後は、システム内で情報が自動連携されるため、入庫確認後に登録した数量を起点に注文が行われ、システム内で自動的に数量管理がされるようになった。システムに登録された各商品の在庫数は、お客さまが観覧できる「注文サイト」に連動して表示されるため、営業担当者からの在庫数確認の連絡はほぼ消滅したという。

また、以前は人間の感覚に頼っていた「発注点(在庫補充のタイミングを図る指標)」に関しても、TS-BASE 受発注では、発注点を設定しておけば、数量に達したタイミングで自動通知を受取れる仕組みがある。注文商品の約50%に関わる発注点管理の自動化は、倉庫担当者・営業担当者双方にとってメリットがある機能だった。

「TS-BASE 受発注導入後は、注文と在庫情報の連携ができるようになったので、倉庫と営業のやり取りが減り、お互いが必要な時に自由に情報を取りにいけるようになりました。倉庫に関連する部分だと、部署間の業務だけではなく、倉庫内業務でも効率化を実感している点があります」(金子さま)。

物流業務の質の向上にもつながった

同社倉庫では、在庫保管する場所の管理に「棚番」を採用している。棚番は、保管エリア内の住所のようなもので、「どの棚のどの位置に何が置いてあるのか」を示す役割をしている。以前は、棚番と商品を記録する台帳を作り、倉庫メンバーで情報共有をしていた。

この「棚番」もシステム内の情報とは連携できていなかったため、棚番管理台帳と出荷指示書に記載されている注文商品を照らし合わせながら業務を行っていた。棚番の設定は、倉庫内の適切な管理において大切なものではあるが、効率的なピッキング作業が行われていたかというと疑問が残っていたという。

導入後は、出荷指示書に棚番が記載されるようになった。TS-BASE 受発注では、商品と棚番の情報を紐づけることができる。入庫時に保管した場所の棚番を登録しておくことで、出荷指示書に記載されている注文商品情報に紐づいて記載される仕組みだ。この形式の出荷指示書に変わってから、誰でもスムーズにピッキング作業が行えるようになったと好評だ。

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また、TS-BASE 受発注では、「注文ごとの出荷指示書」と、その日に出荷する全商品が記載された「トータル出荷指示書」が出力可能だ。同社では、トータル出荷指示書を活用し、ピッキング後の「残数チェック」を行っている。これは、当日出荷した商品数を差し引いた「システム上の残在庫数」と「実際に棚に置いてある在庫数」が整合しているのかを確認する作業だ。

残数チェックを行うことで、「在庫管理が正しく行われているか」や「当日ピッキングされた数量が正しいか」を確認することができる。倉庫運用の質の向上につながる大切な作業だ。

「倉庫と受発注部分のデータ連携という一定の目的を達成し、予測した好影響は実感できていると思います。TS-BASE 受発注によって、倉庫内でアナログだった部分の解消もでき、システム上で管理ができるようになったポイントも多く、現場からも良い評価の声が挙がっています。

今後は、新たな機能によるデータの活用や、お客さまへの利用促進活動に力を入れ、我々の社内効率化と、お客さまの利益につながる施策を実行していきたいと思います」(金子さん)。



▼TS-BASE 受発注の詳しい情報はこちらをご覧ください。

企業紹介
金子特殊印刷株式会社

事業内容

印刷業、印刷関連サービス業
従業員数:20名(2025年5月現在)

90年強の歴史を持つ金子特殊印刷株式会社は、主力となる複写伝票などを中心に、さまざまな印刷物及び関連商品の提供を行っています。お客さまのニーズに合わせたオリジナル商品のデザイン・製造・物流などのサポートや、近年ではデジタル分野のコンサルティングから制作も行うなど、幅広いサービスを展開しています。

コーポレートサイト
https://www.kaneko-tp.co.jp/


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