受発注管理のシステム化は販促物のコスト意識向上への効果も期待

積水樹脂株式会社
業界:化学、機械、機械設計、建築設計建材・エクステリア

インタビュイー情報:

景観事業部 人工木グループ 中沢 卓司さま
ビジネスサポート部 関東BSグループ 宇田雅志さま

課題

・社屋移転に伴うサンプル発送業務のアウトソーシング。

・カットサンプルの活用状況やニーズの把握。

・営業所の裁量に任せた運用が行われていた。

施策

・物流機能を外部倉庫へアウトソーシング。

・注文・受注・在庫管理へTS-BASE 受発注を導入。

結果

・注文サイトを利用する営業担当者が全国的に拡大。

・サンプルを提供する工場側の課題解決も成功。

・在庫の最適化は多方面に好影響をもたらした。

積水樹脂株式会社では、TS-BASE 受発注を活用した「カットサンプル(販促物)」の運用を行っている。以前は、営業所ごとで行われていた管理も、自然と統一化へ向かうほど新たな仕組みは好評だという。どのような変化をきっかけに、現在の運用に至ったのか。実状を、同社景観事業部 中沢卓司さま、ビジネスサポート部 関東BSグループ 宇田雅志さまへ伺った。

6つの事業部が安心・安全な暮らしをサポートする

注釈:積水樹脂株式会社 製品画像


独自の技術力を生かした製品を提供する積水樹脂株式会社。中でも、樹脂と金属のような異素材を組み合わせ、劣化を遅らせるなど施主や利用者ニーズを加味した製品は、街づくりを支え、人々の安心・安全な暮らしをサポートしている。

同社では、「公共」「民間」の2分野に分かれた6つの事業部がそれぞれの特性を生かした事業を展開している。共通しているのは、長年にわたり培った技術力を生かし、活用場面に合う資材を開発して提供をしていることだ。

話を伺った中沢さんは、防護柵や人工木製品など、街の景観づくりに活用する資材を提供している「景観事業部」に属し、販売促進や新商品の企画などの業務に従事している。事業部で取り扱う人工木材を例に、拡販活動についてこのように話した。

資材のカットサンプルは重要な販促ツール

「人工木材は自然の木粉が入っていることもあって、加工方法や色合いなど、独特の質感が発生する資材です。どうしても、カタログだけでは伝えきれない部分があるため、実物の資材を適度な大きさにした“カットサンプル”を活用した営業を行っています」(中沢さん)。

実物でしか感じることができない雰囲気を伝えると、説得力や創造力が増していく。景観事業部だけではなく、その他の事業部でも同様の対応が行われており、カットサンプルは販売プロセスにおいて重要なツールとして活用されているとのことだ。

また、実際の建設現場で使用する資材の情報共有として活用するケースもあるという。現場の規模感によりさまざまではあるが、施主・ゼネコン・下請け業者へ届けることで、「想像と違う」などの誤解を回避する上でも有効的だという。

「カットサンプルはお客さまからのニーズに応えるための重要なツールとして、きちんとお届けしていきたいと思っていました。その一方で、全国の営業担当者に対する活用をバックアップするような仕組みはなく、課題感がありました。関東エリアだけでも、4~50名の営業がいます。その一人一人が、どのようなサンプルを手配したのかなどの傾向も不明だったため、正しいニーズの把握ができれば施策の幅も広がるとも感じていました」(中沢さん)。

裁量に任せていたサンプル発送業務をアウトソーシングへ

イメージ画像 出典:Shutterstock


同社のカットサンプルは、全国各地にある営業所ごとに管理されていた。大体が、社内のサンプル置場から必要資材のサンプルをピックアップして、営業が持参をしたり、お客さまへ発送をしたりする運用が行われていた。営業所に在庫がない場合や活用頻度が低いサンプルは、担当工場に連絡をして直送してもらうなどの対応をしていたという。

「全社的に決められた運用はなかったので、手配が面倒なサンプルに不便を感じたり、過剰な在庫をサンプル置場の奥にしまっていたりなど、“ムダ”が多く発生していたと思います。また、多様な働き方を推進する観点でも、営業所に行かないとできないサンプル発送業務には課題がありました。そんな矢先、東京本社の移転が決定しました」(宇田さん)。

新たなオフィスでフリーアドレスが採用されることもあり、サンプル倉庫のスペース確保が難しくなった。これをきっかけに、東京本社のサンプル発送業務を外部物流業者へアウトソーシングする判断をする。同時に、課題を感じていた、「ニーズの把握」という観点からテクノロジーの活用を考え、Web注文・受注・物流・在庫管理を一気通貫で管理できるシステム「TS-BASE 受発注」の導入を決定した。

営業担当者の利用が自然に拡大していったWeb注文

「当初はサンプル発送業務の統一化を目指していたわけではなく、本社移転対応のアウトソーシングのみを考えていましたが、蓋を開けてみると圧倒的な便利さが要因で利用が広がり、全国の営業が活用する仕組みになりました」(中沢さん)。

アウトソーシング先の物流倉庫に在庫されたカットサンプルは、TS-BASE 受発注の注文サイトを介して入る営業からの注文に応じて、指定配送先に発送されるようになった。以前の、サンプル倉庫内から目当ての資材を探し出し、送り状を手書きで作って発送をしていた運用と比べると、便利なのは一目瞭然だ。
イメージ画像 出典:Shutterstock


特に、場所や時間を問わずに注文ができるWeb注文は好評で、注文サイトでは主体となる棒材や面材(合板・繊維板などの板の総称)の資材画像や文字情報がカタログと同じレベルで確認ができる。以前は手配が面倒だったカットサンプルも、数クリックの操作で完了する発注操作を行うだけで工場とのやり取りが発生せずに完了する。中沢さんが担当する人工木材の中にも手配に苦労をするものがあったが、Web注文を導入した後はカットサンプルの注文が増加していったとのことだ。

以前は、希少な資材のリクエストを受けた営業は、どこに相談をしていいのか分からないなどの悩みがあったという。その疑問は工場へ向けられ、営業からの問い合わせ対応をする工場側も困惑する場面もあった。

在庫最適化にも好影響だった「思わぬ方面に生じたメリット」

「意外だったのは、工場のサンプル担当者が運用変更に協力的で喜んでくれたことです。以前は、営業から入る突然のリクエストに対応をする状況でした。数量は1つ2つですが、お客さまへ渡すサンプルなので、早急に段取りをしないといけません。実は工場側も課題を感じていたようでした。振り返ると、裁量があったからこそ不便だった面もあったのだと思います」(中沢さん)。

現在は、物流倉庫の在庫数量がTS-BASE 受発注のシステムに反映されているため、数量やタイミングを気にせずに注文ができる。在庫管理は、ある一定の在庫数(発注点)に達した際に通知されるアラートを確認後、一定数量のサンプルを工場へ発注して物流倉庫に発送する運用を行っているとのことだ。
イメージ画像 出典:Shutterstock


新運用に詳しい工場は、自らリアルタイム在庫数の情報を取りに行き、発注が入りそうな数量だった場合は先行して準備を進めてくれているようだ。物流倉庫には、常に適正数のカットサンプルが在庫され、営業からの注文に対してスムーズな発送業務が行われている。

「便利になった分、積極的に活用をして欲しいと思う反面、コスト意識向上のためにも値段表示は工夫をするようにしています。弊社からお客さまへご提供するカットサンプルは全て無料です。その分、営業活動費として各事業部へ計上されることを念頭に、最適な販促活用をしてもらいたいと思っています。今後は、Web注文ができる資材を拡充し、多方面の分析を行って製品や施策へと生かしていけたらと思っています」(中沢さん)。



▼TS-BASE 受発注の詳しい情報はこちらをご覧ください。

企業紹介
積水樹脂株式会社

事業内容

業界:化学、機械、機械設計、建築設計建材・エクステリア 
従業員数:1,514名 連結(2025年1月現在)

交通安全、防音、景観、スポーツ施設、外構、物流・梱包、アグリ、生活・計測など、幅広い分野で製品開発・生産・販売を行う同社は、多様な分野で高品質な商品を展開しています。複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境に貢献することを目指し、快適な生活環境の実現に向けて取り組んでいます。

コーポレートサイト
https://www.sekisuijushi.co.jp/


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