基幹システムとのデータ連携を軸に推進した受発注業務効率化

協育歯車工業株式会社
業界:製造業(歯車及び精密機器の製造、販売)

インタビュイー情報:

インタビュイー情報:営業支援グループ 佐藤慶子さま

課題

・受発注業務の効率化

・FAX以外の新たな受注方法の確立

・手入力でのミス削減

施策

・TS-BASE 受発注の導入

・基幹システムとのデータ連携

結果

・約50%の業務削減効果

・FAXからWeb注文に一本化

・手入力作業がなくなる

基幹システムと、「TS-BASE 受発注」とのデータ連携で、販売代理店をはじめとする取引先からの受注業務が大幅に効率化された。約 3000種類の商品を、各生産工場へ届ける重要な業務の改革は、全社的な流れだったという。どのような経緯や基準で推進されていったのか。協育歯車工業株式会社で受発注業務を担当する、オフィスサポート事業部 佐藤慶子さまへ話を伺った。

規格化した歯車の先駆者「協育歯車工業株式会社」

注釈:協育歯車のストックギヤ画像


協育歯車工業株式会社(以下、協育歯車工業)では、「いつでもすぐ間に合うよう、お客さまに便利に使ってもらいたい」という創業者の想いを受け継ぎ、高品質な商品を提供し続けている。

規格化された歯車約3000種類(2024年10月現在)は、追加工の手間を最小限に抑える工夫を施し、お客さま先の生産性向上に貢献できるような完成品に近い商品を豊富にラインアップしている。ニーズに対する誠実な対応ができるよう、商品の在庫や追加生産にも柔軟に対応するほか、培ったノウハウを生かした特注歯車の企画・製造も行っている。

協育歯車工業は、日本のスタンダードストックギヤのパイオニアとして、国内外のモノづくりに欠かせない商品を提供している企業だ。製品の一部になる大切な歯車を各生産場へ届けるために、営業支援グループが行う受発注業務は重要な役割を担っている。だからこそ、業務環境を整えようとする全社的な動きが起きたのだった。

年間約2万件の注文を手入力していた

「業務効率化とミスの削減が課題でした。取引先からの注文は年間約2万件で、注文書をFAXで送ってもらう方法で運用をしていました。わたしたち営業支援グループは、届いた注文用紙を見ながら、基幹システムへ注文内容を手入力していきます。入力ミスも問題でしたし、作業時間もかなりかかる大変な作業だったので、大きなリスクが伴う業務でした」(佐藤さん)。

営業支援グループが行っていたFAX受注後の大きな流れはこうだ。

➀注文商品の在庫を確認する。
②注文内容を基幹システムへ入力する。
③取引先への納期回答をFAXで送信する。
④出荷チームへ出荷依頼を行う。

注釈:FAXでの受注業務を行っていたころの運用図


まず、受注した歯車の在庫数を確認して、受注した注文内容を基幹システムへ登録をしていく。注文用紙を見ながら、品番・品名・数量・出荷先などの情報を手入力していたため、神経を使う大変な作業だった。

同社の歯車は、同サイズに形状の違いをつけて数種類展開するものも多く、ひとつのミスがその後の工程に大きく影響してしまう可能性を含んでいる。出荷チームへの依頼は基幹システムを通して行われるため、営業支援グループの入力作業に大きな責任があったのだ。

その後、確定納期をFAXで回答していく。在庫が満たなければ分納の対応になるが、取引先の事情などの理由で再度やり取りが発生するケースも多くあった。

「基幹システムへの入力作業は、失敗が許されないプレッシャーが大きいものでした。かなりの時間を要する作業でもあったので課題として挙げていた業務の一つです。

各支店で行う発注作業も含め、受発注業務の効率化を目指そうという全社的な流れもあったので、重要項目を決めてから、新たな手段を選定していきました」(佐藤さん)。

基幹システムとの連携と利便性を重視した選定

協育歯車工業では、以下の3つを重要項目として掲げ、新たな手段を探していったという。

➀基幹システムとのデータ連携。
②最新在庫数の見える化。
③操作性の良さと利便性。

最も重要だと考えたのが、「基幹システムとの連携」だ。データの連携をすることで営業支援グループの手入力作業をなくすことができれば、ミスの削減・作業時間の短縮・業務環境の改善など、好影響の範囲は広くなる。

そして、取引先にシステムを使ってもらう上で必要だと考えたのが、「最新在庫数の見える化」と「操作性の良さと利便性」だ。「望む期日に、望む歯車が届く」ことは、大きな利便性向上だといえる。確実性の高い生産スケジュールを立てるために、協育歯車工業ができることは、「現在の在庫数を提示すること」だと考えた。各商品の在庫データは基幹システム内にある。このデータを活用できる方法があれば、取引先も便利だと実感してくれると考えた。

「弊社に合う、目的を実現できる方法を探していく中で、TS-BASE 受発注を知りました。導入検討時に、システムのデモンストレーションができたのでイメージもしやすかったです。TS-BASE 受発注を最初に操作した時の印象は、デザイン性の良さでした。注文から出荷依頼までの一連操作を体験させていただいたのですが、パッと見てこのボタンをクリックすれば次の作業ができる…という雰囲気が分かったので、取引先さまにとっても操作しやすい作りだという印象を抱きました」(佐藤さん)。

導入後、約50%の業務時間削減に成功

協育歯車工業は、複数の仕組みを検討した後、重要項目を実現できるTS-BASE 受発注の導入を決定した。導入後は、同社が描いた業務環境が実現でき、その他にも大きな変化を感じているという。

「基幹システムとTS-BASE 受発注を連携することで、一気通貫でデータの活用ができるようになりました。注文情報の手入力作業は全てなくなり、受注データを目視確認してシステム内で出荷依頼を行う運用になりました」(佐藤さん)。
注釈:TS-BASE 受発注を活用した協育歯車工業の受注~出荷依頼の流れ。


取引先からの注文は、FAXから「TS-BASE 受発注の注文サイト」を使用したWeb注文に集約され、注文時のデータを出荷まで一気通貫で活用する仕組みで運用されている。基幹システムにある各商品の在庫データは注文サイトに反映され、各商品の注文画面に表示されるようになった。

取引先は、注文可能数を確認しながら発注を行うことができるため、注文時に確定入荷数を知ることができる。入荷後のスケジュールも立てやすくなったと想定されている。

「TS-BASE 受発注の担当者さまは、導入前から弊社が実現したいことを親身になって聞いてくれました。弊社は約3000種類の商品があるので、取引先さまが便利に使ってもらえる方法を事前に細かくご提案いただいたことも印象的でした」(佐藤さん)。

取引先ごとの仕切り価格や分納など、協育歯車工業の受発注業務で必要な運用方法が実現できると分かったのは安心感へつながった。そして、TS-BASE 受発注側は一度決定した方法に固執せず、基幹システムとの操作導線も加味した「その時の最善」を提案し続けてくれたことも、現在の安定した運用につながっているという。

「FAX注文が廃止され、登録ミスも誤出荷もなくなったので、それらに対するリカバリー業務も必要なくなりました。各支店で行っていた注文業務も一本化され、受注業務に関わる人員も前と比べて半数です。今では、多くの取引先がTS-BASE 受発注を使ってくれているので、業務工程や時間など全体的に考え約50%の業務効率化を実感しています」(佐藤さん)。

取引先への利用促進は関係者全員で地道に積み重ねた

注釈:協育歯車工業で活用する注文サイト画像。


営業支援グループは、TS-BASE 受発注の導入に合わせて、取引先向けの操作マニュアルを整備した。

導入準備が整った後、まずは関係性の深い取引先1社に協力をしてもらい、TS-BASE 受発注を介したWeb注文に切り替えてもらったという。利用者目線の使用感や不明点などの声を吸い上げ、運用やマニュアルの改善を行っていった。

その後、改訂されたマニュアルを手に、営業メンバーが各取引先への説明を行った。「商品在庫数が知れる」「FAX確認連絡が不要になる」など、使用するメリットを丁寧に伝え、理解促進を図っていったという。

TS-BASE 受発注を利用する取引先が増えるにつれて、操作方法や入力場所の確認などの問い合わせが発生したが、口頭で操作手順を伝え、マニュアルを更新するなどを行うことで徐々に減少していった。

「取引先に対して、営業メンバーが地道に働きかけてくれたことが、利用促進につながったと思います。パソコンの画面を見せながら、注文操作を直接見せることで、良いイメージを持ってもらえたケースもありました。今後もさまざまな工夫を行いながら、更に便利にご利用いただけるよう努めたいと思っています」(佐藤さん)。



▼TS-BASE 受発注の詳しい情報はこちらをご覧ください。

企業紹介
協育歯車工業株式会社

事業内容

業界:製造業(歯車及び精密機器の製造、販売) 
従業員数:80名

モノづくりには欠かせない小型精密歯車の開発・製造を行う協育歯車工業株式会社は、規格歯車のパイオニア企業として、追加工不要な完成品に近い商品をバラエティ豊かに提供している。近年は、欧米およびアジア各国にも販売網を広げ、小型化が著しい精密機器の未来のため、新たな技術をもって高品質な製品を生み出し続けている。

コーポレートサイト
https://www.kggear.co.jp/


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