「製造現場の従業員×TS-BASE 受発注」で材料発注の仕組み改革を推進

株式会社ユニバンス
業界:輸送用機械器具製造業

インタビュイー情報:

生産部 本社製造一課組長 樋田大輔さま
生産部 本社製造一課組長 菅谷僚太さま

課題

・さまざまな外部環境の変化やニーズへの対応。

・お客さまからの内示情報と発注数の乖離。

・材料在庫数が要因の機会損失や問題が増加。

・その時の状況に対応できる、新たな運用の確立。

施策

・その時の状況に合う材料発注を製造現場の従業員が行う。

・「誰でも簡単に」操作できるシステムの導入。

結果

・TS-BASE 受発注を活用した社内受発注の運用を開始。

・TS-BASE 受発注の注文データと既存ERPシステムの連携。

・在庫の最適化により生産計画がスムーズに遂行される。

・簡単な操作説明会の実施のみで運用を開始できた。

・「誰でも簡単に」操作できる注文サイトは、スムーズに浸透。

株式会社ユニバンスの国内工場では、生産に必要な材料の発注を製造現場の従業員が行っている。その運用に活用しているのが、「TS-BASE 受発注」だ。さまざまな年齢層の従業員でも操作しやすく、在庫棚を目視しながら行う注文方法は、発注ミスの軽減にも効果的だという。実際の製造現場で従事する、本社製造一課監督職の樋田大輔さんと菅谷僚太さんに、TS-BASE 受発注を導入した後の変化を伺った。

自動車関連部品などの製造を行う「株式会社ユニバンス」

注釈:同社工場内の様子。


自動車部品などの製造および販売を行う同社は、ギヤボックス・トランスファー・マニュアルトランスミッションなど、日本が誇る自動車業界の「ものづくり」に必要不可欠な技術を有する企業だ。静岡県湖西市の企業拠点に併設する工場を含む国内3工場の他、海外にも生産拠点があり、ビジネスフィールドを世界に広げ、それぞれのニーズに合う最適な商品の提案と供給を行っている。

今回話を聞いた、本社工場で監督職業務を担う樋田さん、菅谷さんは、安全で正確な業務を遂行するために現場の核となっている人物だ。製造現場に携わる両名に、「TS-BASE 受発注」を導入して起きた変化を伺うと、「在庫の最適化や意識改革につながった」という答えが返ってきた。

その瞬間のニーズに対応する新たな仕組みが必要に

現在、同社工場では、製造現場の従業員による「材料の発注」が行われている。業務の流れは、現場従業員が必要材料を発注。その注文を同社生産管理部が受注し、外部メーカーに発注している。この運用内の社内受発注部分に活用されているのが「TS-BASE 受発注」だ。

注釈:「TS-BASE 受発注」導入後の、同社材料発注の流れ。


以前は、生産管理部が独自のERPシステム(生産管理や在庫調整などの役割で活用されているシステム)を使用して必要数を計算し、材料の発注を行っていた。製造現場は、入荷する材料の入庫や、必要時に先入れ先出し対応などを行いながら、生産に必要な材料を使用して製造業務を遂行していた。

しかし、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行で状況が一変。自動車業界も、前例のない予測不可能な状況に陥った。同社でも、お客さまの内示と実際の発注数に乖離が発生するケースが多くなった。その要因で、お客さまからの注文が急遽ストップし、倉庫に保管する材料が過剰になるなど、今まで発生しなかった問題が起きるようになっていた。

「その時、その瞬間のニーズ」に対応するには、今までの概念をシフトする必要性が高まっていた。そこで、白羽の矢が立ったのが、「製造現場の従業員」×「TS-BASE 受発注」だった。

大手通販サイトのような使用感が印象的だった「TS-BASE 受発注」

「生産管理部から、『製造現場を最も熟知する我々の現場感覚を生かして、市場のニーズに即時対応できる新体制を構築したい』と打診されました。そして、TS-BASE 受発注の注文サイトの導入を提示されました。初めて使用した時の印象は、『いつも使う通販サイトのようだ』でしたね」(樋田さん)

現在は、TS-BASE 受発注の注文サイトを使用して、製造数と必要材料の在庫状況に応じた発注業務を行っているという。注文サイトに登録されている、約200点ある材料の中から必要材料を選んで数量を入力。確認画面などを含め、数回ボタンをクリックする簡単作業で注文が完了する。

注釈:向かって左から、生産部 本社製造一課組長 樋田大輔さん。生産部 本社製造一課組長 菅谷僚太さん。


「操作は簡単だ」と話してはいるが、ある月のデータを見ると、月間約450伝票、約850明細のボリューム感で注文が行われていた。製造業務をこなしながらの注文作業は、決して楽ではないだろう。導入後の業務に関して、菅谷さんはこう話した。

「発注点などのルール決めなど、定着するまでの苦労はありましたが、注文サイトの操作に関しては、あまり戸惑いはなかったです。ネットショップのような工程で、操作説明も不要なくらい簡単に使うことができたので。サイトでは、文字と画像で材料の確認が可能になっています。TS-BASE 受発注の注文サイトを表示した通信機器を片手に、在庫棚の材料を確認しながら注文ができることも、発注ミス防止につながっていると思います」(菅谷さん)

注釈:商品検索方法の一例。カテゴリーに登録されている項目から必要品目を選択して注文することも可能。


TS-BASE 受発注では、商品マスタ情報の一括登録が可能なので、数百~数千点の商品数があっても、掲載へのハードルは低く実行できる。注文する際も、キーワードや品番などの情報検索、カテゴリーの設定をすることで、欲しい材料情報を即時に抽出することが可能だ。

そして、TS-BASE 受発注の導入後、材料発注を行うことで生まれた意識があったと話す。それは、新たな視点と、企業らしさにも通じる志だった。

時代に合う仕組みを新たに取り入れる勇気を持つ

「以前は、材料に関しては生産管理部に任せきりだったのが実情でした。現在の運用になったことで、在庫に対する意識が高まったと同時に、『適正な材料管理を行うことは、生産性向上につながる』という気付きを得ました。

わたくしの仕事は、お客さまのニーズにお応えする製品を、ご要望通りにお届けできるように製造することです。自分が果たすべき役割を達成し、お客さまに最適を届けるためにも大切なのだと実感しています」(菅谷さん)

TS-BASE 受発注の運用開始直後は、戸惑いや苦労もあった。コロナ禍も重なっている状況下で、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら、運用方法を確立していった。開始から月日が経った今、在庫が最適化され、先入れ先出し作業も減り、メンバーの意識変化も表面化したことで、ようやく落ち着いて変化を実感できるようになってきたという。

「今回のTS-BASE 受発注の導入を通じて、『今の時代に合った新しいチャレンジを恐れずに行う』そういったことが大切なのだと感じました。最初は痛みも感じましたが、結果的に目的を達成して良い変化につながっています。今後も挑戦の意識を忘れずに、必要な改革は積極的に推進したいと思っております」(樋田さん)

企業紹介
株式会社ユニバンス

事業内容

業界:輸送用機械器具製造業(自動車部品・附属品などの開発・製造・販売)
従業員数: 2,005人(2023年3月31日現在 連結人数)

自動車の駆動系部品を専門に扱う専門メーカー「株式会社ユニバンス」。設計・開発から生産まで一貫して行っている「駆動系ユニットメーカー」は世界でも数少ない。現在は、更なるクオリティ向上や競争力強化のために海外現地化を推進。ユニバンス独自の技術を生かした4つの主要事業を中心に、各国のニーズに的確に応えるサービスを展開している。

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